長期休暇期間における週40時間の時間管理について
結論からいえば、留学生の週40時間の労働は可能です。
ただし、「教育機関が定めた休暇期間中」といった条件を満たす必要があります。
たとえば、学生が説明した期間と実際に学校が定めた休暇期間にズレがあった場合には、学生と事業者の両方が罰則を受けることになってしまいます。
週40時間の就労で企業が確認したいこと
企業としても慢性的な人材不足の場合を除き、未経験アルバイトを週40時間の労働に就かせるケースは少ないと予想されます。
そのうえで、週40時間労働に切り替える場合には次の項目をチェックしましょう。
- 在留カードに資格外活動許可を証明する文章が記載されているかどうか
- 時間が増えても入管管理局への問い合わせや書類提出は不要。ただし、確実に教育機関の休暇期間を確認するたに「休暇期間証明書」は必須であるため、保有しているかどうか
- 労働条件通知書や雇用契約書の内容として、深夜労働や残業の記載がない場合は新たに作成し、手続きを行えるかどうか(雇用保険は学生である場合、ほぼ不要な場合が多い)。仮に、作成しなかった場合は、不法就労助長罪に加え、労働基準法違反になる
- 在籍の有無を確認しているか
- 労働時間を明確に管理できる体制が構築できているか
ルールは各企業で異なるものの、次のようなルールがあれば、企業として不利益を被る状況は避けられるでしょう。
- 既に働いている留学生であっても28時間就労から40時間就労に切り替わる場合は再度確認する
- 労働条件通知書や雇用契約書の内容を定期的に確認する(たとえば、法律で決まっている最低時給に合っているかどうか)
- 留学生の報告に合わせて、長期休暇証明書を確認する
労働時間を厳密に管理する必要があります。
そのため、長期休暇で留学生の労働時間を40時間に拡大する場合は、社内体制の現状把握や簡単に勤怠管理ができるツールの導入も大切です。
週40時間管理の考え方について
留学生の長期休暇の切り替え時期の運用に関して、法務省HPではとくに明確な説明はありません。
そのうえで、LTBでは、実際に出入国在留管理庁に問い合わせ、回答を頂いた内容を参考までに記述します。
- 週28時間の上限というのは、一週間の起点(たとえば月曜日など)があるわけではなく、どこから計算しても28時間という計算になる必要がある
- 週の途中で長期休業に入った場合は、日割り計算【週28時間➗週7日✖️日数➕週40時間➗週7日✖️日数】
留学生アルバイトの労働時間については、通常期間の計算では28時間を上限とします。
途中から学校が休みになってから働き始めた場合に関しては、40時間を上限に計算する点は知っておきましょう。
参考:週28時間の考え方
外国人留学生を雇用する際の4つの注意点
ここでは、留学生を雇用する場合の注意点について、みていきましょう。
とくに、学校を卒業するタイミングでは、在留資格が留学ではなく、就職・進学しなかった場合は特定活動や研修などに切り替わるケースもあります。
学校を卒業するタイミングを把握する
仮に、留学生が卒業後にアルバイトとして採用されたとしましょう。
その場合は、在留期限が残っていても、学校を卒業すると「留学」の在留資格が失効となるため、不法就労に該当する点に注意が必要です。
また、学校を卒業して次の学校へ入学するまでの期間は、就労が認められていません。企業として、採用した外国人留学生の入学日と卒業日をしっかり確認しておきましょう。
正社員や自社での継続的な就労を検討している場合は、「技術・人文知識・国際業務」などへの在留資格切り替えが必須です。
留学生のダブルワークを確認する
仮に、外国人留学生が2つのアルバイトを行っていた場合、2つの事業所で合わせて28時間以内に収める必要があります。
たとえば、A社で15時間働いていたとすれば、B社では13時間以上働くことはできません。
留学生を採用する際は、面接時にダブルワークしているかどうかを確認しましょう。
仮に、ダブルワークを行っている場合には、就労時間を把握しているかだけでなく、課税証明書も取得してもらうと罰則のリスクを軽減できます。
在留資格の期限日を確認する
在留資格は更新が必要です。仮に、在留資格が切れたまま、アルバイトの雇用をし続けてしまった場合は、不法就労と判断されてしまうでしょう。
そのため、外国人留学生を雇用する際は、在留カードの表面に記載されている在留期限の有効日を確認することが大切です。
有効期限日が近い場合には、更新手続きを学校側と進めているかどうか、企業側としてもサポートが必要かどうかを外国人留学生に確認しましょう。
労働時間の制限違反について把握する
留学生をアルバイトで雇用し、労働時間制限の違反となった場合は、企業と留学生どちらも罰則をうけることになります。
また、留学生の情報は入国管理局や市区町村役場、ハローワークなどの行政機関で、個人情報が管理・共有されている状況です。
加えて、在留カードや外国人雇用状況の届出、納税手続きを行うことになるため、外国人留学生のアルバイトの状況は正確に把握されているといえるでしょう。
法律に合致した適切な対応が大切です。
まとめ
長期休暇期間に外国人留学生を雇用する場合の注意点について、解説しました。
週28時間から週40時間と変化するため、シフトの組みやすさが大きく変化するといえるでしょう。
制度を上手く活用しながら、企業活動に注力することが重要です。
LTBでは、アルバイトや正社員を含めて外国人雇用に不安を持つ企業に対するサポートを行っています。
「アルバイトの採用後の対処方法がわからない」「もっと長期的な視点から採用したいんだけど」といったお悩みがある場合には、気軽にお問い合わせください。