建設業における外国人採用に必要な対策
ここでは、外国人材を採用・受け入れるための対策についてみていきましょう。
とくに建設業は、現場作業や専門知識を要する業務に外国人材を配置するケースが多いため、業務内容や労働環境との整合性を図っていくことが大切だといえます。
たとえば、コミュニケーションレベルが低ければ、業務に支障が出るため、継続的な日本語学習の機会を設けるといった対策も必須です。
採用の条件を明確にする
外国人材を採用する場合は、人材の条件から決定しましょう。
たとえば、以下のような場合では必要とされるスキルや知識が大きく異なります。
- 建設現場での施工補助に期待する
- 設計や施工管理などの専門的業務に従事させる
また、一次的な人手不足の穴埋め要員ではなく、将来的に組織の戦力として長期的に育成する計画を立てておくことが大切です。
業務内容と労働条件の設定
外国人材の採用にあたっては、在留資格に合致した業務を明確に定義しておかなければなりません。
たとえば、職務内容が不透明な場合、入国管理局の審査で不許可となる可能性があることに加え、入社後のミスマッチや不法就労リスクにもつながるケースもあるでしょう。また、賃金や労働時間は、日本人と同等以上の条件を提示しなければなりません。
過重労働や賃金トラブルは違法となり、外国人材の定着率を大きく下げる要因となります。
教育体制の整備
海外から直接採用する場合、現地で事前に日本語や安全管理、基本的な現場ルールを学んでもらうといった工夫が重要です。
とくに、技能実習制度や特定技能の試験対策を行うための教育機関と提携できれば、候補者のモチベーションや理解度を把握しやすくなるでしょう。
建設業界における外国人活用の可能性と在留資格
ここでは、代表的な在留資格における外国人活用の可能性についてみていきましょう。
技能実習制度であれば現場密着型の技術習得から
技能実習制度であれば現場作業がメインとなります。
建設業では、鉄筋組立や左官、型枠施工、足場組立といった職人技が求められる工程が主な対象です。
・実際の業務内容
リーダーとなる職人や監督者の指導を受けながら、工具・重機の使い方や安全基準を学び、日常的な作業手順を習得するところからスタートすることになります。
実習が進むほど、補助作業から主体的な作業にステップアップし、3年〜5年の滞在期間中に熟練技術へと成長していくことに期待できます。
・活躍が期待されるポイント
人手不足が顕著な企業では、技能実習生が戦力として加わることで作業の円滑化に貢献できます。
また、若手職人が減りつつある状況からすれば、持続的な技能継承も検討できるでしょう。
技能実習制度後の育成就労について気になる方はこちらの記事から。
特定技能では即戦力と長期的なキャリア形成を
特定技能は建設業界を含む特定産業分野で人手不足を補うことを目的とした制度です。
特定技能1号で専門的なスキルを分野ごとに学び、試験に合格し特定技能2号へ移行すれば、より長く企業で活躍可能です。
・実際の業務内容
配管工事や建設機械のオペレーション、内装仕上げ、仕上げ工事など、ある程度の専門知識と実務経験が求められる領域で活躍可能です。
たとえば、ICT重機の操作なども外国人材に任せることができ、リーダーとして徐々に育成していくという計画を立てることもできるでしょう。
また、現地で特定技能の試験合格を経て来日する場合は、比較的即戦力として活躍しやすい点が特徴です。
・活躍が期待されるポイント
特定技能2号になった場合には、在留期限の上限が緩和され、家族帯同が認められるケースが多いといえます。
長期的な人材育成が可能となることから、企業にとっては職人として現場を動かせる人材の一人として期待できるでしょう。
【技術・人文知識・国際業務:専門性を活かした設計・管理業務】
「技術・人文知識・国際業務」の在留資格は、建設会社であれば、設計や施工管理、海外プロジェクトとの調整業務などでの活躍が期待できます。
・実際の業務内容
CADやBIMといった先端技術を用いた建築設計や工程管理・コスト管理、海外との契約交渉や調整業務を任せられます。
たとえば、BIMを活用した設計として活躍しつつ、現場担当者とコミュニケーションを取るといった活躍も期待できるでしょう。
・活躍が期待されるポイント
高度な知識や経験を持つ外国人材がチームに加われば、既存の仕事の進め方に多角的な視点が取り入れられます。
海外ネットワークを活かした材料調達や新技術の導入、新しい視点からの事業戦略も立てやすくなるでしょう。
また、日本語の意思疎通に苦労することはないため、コミュニケーションも取りやすいといえます。
まとめ
建設業では、外国人材を採用している企業が増加傾向にあります。
そのうえで、将来的な戦略を立てたうえで、外国人材を活用していくことが大切です。
たとえば、技能実習生からスタートする場合は、現場のリーダーを目指しやすく、数年後には建材関係の職種であれば問題なくリーダーとして活躍できるケースもあります。
LTBでは、人材紹介会社として「外国人を今から採用したい」「選択肢としては考えてみたものの踏み切れていない」といった場合にはお問い合わせください。