技能実習生は実質的に、「転職」ができなかったのですが、育成就労については、一定の条件の下、「転職(転籍)」が認められることとなります。企業側からすると、「いなくなられては困る貴重な人材」が流出してしまうのではないかと懸念される声も多いかと考えます。そのため、このコラムでは、育成就労で転職されてしまわないよう、どのような手段が有効そうか、特定技能の支援を4年以上続けてきた経験から、要諦をお伝えしていきます。
育成就労で変わる外国人雇用
てありました。そして、技能実習期間が終わると、特定技能へ移行していくか、もしくは母国に戻ってしまったとしても、ある意味計画的に技能実習制度期間が終わることが判明していたため、新たに実習生を受け入れてきたといった企業も多いのではないでしょうか。一方、育成就労では、
- 転職先は現状の職種(分野)と同じでなければならない
- 転職するためには
- 分野ごとに定める日本語レベルがA1~A2相当
- 分野ごとの技能検定試験基礎級等の合格
- 就労期間が1〜2年経過していること
- 転職先が育成就労計画の認定を受けられること
を、条件として、転職(転籍)が可能となります。
また、転職にあたっては民間の事業者の仲介は一定期間禁止される予定で、これは、人材紹介会社などが紹介フィーを狙って、頻繁に育成就労外国人を転職させてしまうことを回避するための施策と言えるかもしれません。
「技能実習生が最後の砦」から抜け出す方法
今まで技能実習生が頼みの綱で、転職されては事業の生命線に関わるといった意見もあるかと考えます。そのため、何より受け入れ企業側の定着してもらえる仕組みづくりが大切ではないでしょうか。具体的な事例として、雇用している外国人がやりがいを持って、働いてもらえるよう、一定程度のキャリアプランを設けていくことを検討されてはどうでしょうか。
- 日本語レベルアップによってやれる業務範囲を広げる
- 業務理解に対して定期的なフィードバックを提供し、一定の水準をクリアしたら昇進させる
など、日本人とのギャップを埋めていく小さな施策を設定することで、本人も成長を感じやりがいを感じやすくなるのではないでしょうか。
外国人の定着率をあげるために
事実、こういった施策により、好循環が生まれ年換算離職率2%程度で推移している事業者も少なくありません。
より具体的にお伝えすると、育成就労は後の特定技能1号や2号への移行に繋がる、外国人から見るとステップアップの最初の一歩です。
そのため、彼らからすると特典の多い2号移行に向けて、2号移行の条件ともなる、日本語、評価試験を早期に見据え、キャリアプランを設定していくことこそが、外国人のモチベーションにつながる事実を多く見てきました。
もちろん、ボーナスや昇給といった経済的なインセンティブがあったに越したことはありません。
ですが、キャリアプランとセットでこういったインセンティブがあった方が、外国人同士も日本人にも、透明性が高く、納得感が高いのではないかと考えます。
いかがでしたでしょうか。
来る育成就労に向けて、キャリアプランの詳細を聞いてみたいなどありましたら、専任のコンサルタントが実例を元にお話しすることも可能です。
こちらにお問い合わせください。