特定技能制度が2019年4月にスタートしてから5年が経ちました。建設分野及び造船・舶用工業分野の溶接区分だけが、特定技能2号へ移行できましたが、昨年夏に、介護以外の特定技能の全ての分野で2号移行ができることとなりました。企業の皆様には、皆様が雇用されている特定技能1号外国人を、特定技能2号へ切り替えるメリットと、5年を待たずして2号へ切り替える裏技をお伝えしていきます。
そもそも特定技能1号とは
特定技能1号とは、建設分野、造船・舶用工業分野、ビルクリーニング、素形材・産業機械・電気電子情報関連製造業、自動車整備、航空、宿泊、農業、漁業、飲食料品製造業、外食業の12分野について、5年間日本で働くビザがもらえる制度です。ビザのもらい方として、日本国内だけではなく、皆さんの国と日本の政府とで取り決めがあれば、皆さんの国で特定技能1号になるために2つの試験、JLPT(日本語能力検定)4級もしくは、JFT-Basicと、各分野の技能評価試験に合格し、日本の企業に採用されれば特定技能として日本で働くビザをもらい働くことができる仕組みです。
各分野のテストを知りたい方はこちら
特定技能1号の特徴として
- 家族は連れて来れない
- 特定技能1号で働く期間は5年まで
となります。そのため、家族を連れて来たい、5年以上日本で働きたい方は、他の在留資格に変更するなどの選択が必要でした。
特定技能2号とは
特定技能1号の分野12個のうち、介護を除く11分野で2号への移行が可能になりました。2024年春現在、2号移行のためのテストなどが順次、関係組織から公開されています。ここでは元々2号があった、建設分野及び造船・舶用工業分野の溶接区分以外の各分野で、どうすれば2号になれるのかについて触れていきます。
特定技能2号への移行方法
技能水準 | 実務経験 | 日本語能力水準 | |
ビルクリーニング分野 | ビルクリーニング分野特定技能2号評価試験もしくはビルクリーニング技能検定1級試験の合格 | 現場を管理する者としての実務経験を2年以上 | 設定なし |
素形材・産業機械・電気電子情報関連製造業分野 |
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日本国内に拠点を持つ企業の製造業の現場における3年以上の実務経験を有すること | 設定なし |
自動車整備分野 | 自動車整備士技能検定試験2級合格 | 3年以上の実務経験 | 設定なし |
航空分野 | 航空分野特定技能2号評価試験もしくは航空従事者技能証明 | 専門的な知識・技量を 要する作業を実施した3年以上の実務経験 | 設定なし |
宿泊分野 | 宿泊分野特定技能2号評価試験 | 宿泊施設において複数の従業員を指導しながら、フロント、 企画・広報、接客、レストランサービス等の業務に2年以上従事した実務経験 | 設定なし |
農業分野 | 2号農業技能測定試験(耕種農業全般)もしくは、2号農業技能測定試験(畜産農業全般)の合格 |
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設定なし |
漁業分野 | 2号漁業技能測定試験(漁業)もしくは2号漁業技能測定試験(養殖業)の合格 |
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日本語能力試験(N3以上) |
飲食料品製造業分野 | 飲食料品製造業特定技能2号技能測定試験 | 複数の作業員を指導しながら作業に従事し、工程を管理する者としての実務経験を2年以上有すること | 設定なし |
外食業分野 | 外食業特定技能2号技能測定試験 | 複数のアルバイト従業員や特定技能外国 人等を指導・監督しながら接客を含む作業に従事し、店舗管理を補助する者(副店 長、サブマネージャー等)としての、2年間の実務経験 | 「日本語能力試験(N3以上) |
特定技能2号の特徴とベネフィット
特定技能2号では、家族を連れてくることができ、更新さえすれば何年でもその分野での仕事をつづけることができることが最大の特徴ではないでしょうか。特定技能を雇用される企業の皆さんにとって、できるだけ長く優秀な外国人に活躍してもらうことこそが、最大のベネフィットになるのでないかと考えます。そのため、特定技能外国人の皆さんが、大切だと感じている家族帯同をできるだけ早期に叶え、2号以降へのキャリアパスを提示していくことが企業にとってもプラスに働くかと考えます。
2年で特定技能2号になる裏技
ここまで書くと、もうお分かりかもしれません。分野によりますが、特定技能1号から、最短2年で特定技能2号になる裏技とは、「2号に移行するための実務経験」を積むことが何よりも大切です。そして、同時に試験への準備をしていただくことが肝要となります。同時に、2号移行のための評価試験対策であったり、分野によっては日本語能力検定(JLPT)の対策などを特定技能1号外国人に促すことが大切になって来ます。また、特定技能1号と2号のキャリアパスを企業の制度設計として設けることが、彼らのモチベーション向上に繋がることは間違いありません。ぜひ、検討をされることをお勧めします。LTBは外国人雇用に特化して10年のナレッジがあります。
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