人手不足の介護業界では、外国人介護士の需要が高まっています。
現在、介護分野で雇用できる在留資格は、「在留資格・介護」「EPA」「技能実習・介護」「特定技能・介護」の4つです。
中でも「特定技能・介護」は、介護業界の人材不足解消策としておすすめです。
本記事では、特定技能「介護」のメリット、受け入れ要件、従事できる仕事内容、試験の概要などを解説します。
特定技能「介護」とは?
「特定技能」は、人手不足の産業12分野14業種を対象に、2019年からスタートした在留資格です。
特定技能1号と2号があります。
特定技能「介護」で外国人を雇用する際は、介護福祉士の資格は不要ですが、介護と日本語試験に合格していることが条件です。
また、在留期間については、通算5年で、更新期間は、特定技能1号が「1年、6ヶ月、4ヵ月」、特定技能2号は「3年、1年、6か月」ごとのいずれかで申請手続きが必要です。
また、特定技能制度は、直接雇用が基本となりますが、登録支援機関と契約して外国人雇用のサポートを受けることが可能です。
従事できる業務特定技能
「介護」で働くことができる業務は、「身体介護」と「支援業務」です。
- 身体介護:食事、入浴、排せつ介助、衣服着脱、移動等の補助
- 支援業務:身体介護に付随したレクリエーションの実施、リハビリ、機能訓練の補助ただし、訪問サービスは対象外です。
雇用形態
特定技能「介護」の雇用形態は、直性雇用のみです。
派遣での雇用は認められていません。
外国人と雇用側が「特定技能雇用契約」を締結し、雇用契約書の作成と外国人の署名が必要です。
事業所受け入れの上限
介護事業所での受け入れ人数の上限については、事業所単位で、日本人等の常勤介護職員(雇用保険被保険者)の総数よりも多く受け入れることはできないとなっています。
特定技能「介護」試験特定技能
「介護」で雇用できる外国人は、介護技能評価試験と日本語能力試験に合格することが必要です。
介護技能評価試験は、介護施設で働くために必要なスキルについて、学科と実技に分けて試験が行われます。
受験する言語は、日本語以外も可能です。
日本語能力試験については、「日本語能力試験(N4以上)」または「国際交流基金日本語基礎テスト」に加えて「介護日本語評価試験」に合格することが必要です。
「介護日本語評価試験」は、介護現場でよく使われることばや声かけなどの問題が出題されます。
試験会場は、国内外で実施されています。
試験が免除される条件特定技能
「介護」の試験については、以下の場合「介護技能評価試験」と「日本語能力試験」が免除になります。
- 介護分野の技能実習2号を良好に修了した場合
- 介護福祉士養成施設を修了している場合
受け入れ事業所の要件
外国人を雇用する事業所は、以下の要件を満たすことが必要です。
法令に従った雇用契約と支援計画に基づいた外国人への支援が義務付けられています。
- 外国人と結ぶ雇用契約が適切であること(報酬や労働時間が日本人と同等以上)
- 受入れ機関が適切であること(法令等を遵守していること)
- 保証金の徴収や違約金契約を締結していないこと
- 外国人を支援する体制があること• 外国人を支援する計画が適切であること
さらに、以下の義務に対応する必要があります。
- 外国人と結んだ雇用契約を確実に履行すること
- 外国人への支援を適切に実施すること• 出入国在留管理庁及びハローワークへの各種届出を行うこと
特定技能以外の「介護」の在留資格は?
特定技能のほか、3つの在留資格について解説します。
在留資格「介護」
介護福祉士の資格取得者が、介護業界で業務に従事できる在留資格です。
特定技能「介護」では認められていない訪問サービスに従事できます。
介護福祉士(国家試験合格者)の外国人が対象となるため、求職者数は限られた人数になっています。
EPA
「経済連携協定国」インドネシア、フィリピン、ベトナムの3国を対象とした在留資格です。
]送り出し国が限定されているため、求職者の母数は限定されます。
介護福祉士(国家資格)を取得することが目的となるため、合格できなければ帰国することになります。
EPAで従事できる業務は、介護保険3施設、認知症グループホーム、特定施設、通所介護、通所リハ、認知症デイ、ショートステイ等です。
技能実習「介護」
開発途上国への技能移転を目的とした技能実習制度で、介護分野の在留資格です。
日本語能力試験のN4の合格と外国で介護経験があることや看護課程を修了した者または、看護師資格取得者、外国政府による介護士認定等を受けた者などの要件があります。
技能実習1号、2号、3号と通算して最長5年の在留期間が認められます。
特定技能「介護」よりも入国前の試験が設定されていないため、雇用しやすいメリットはありますが、採用後に一から教育指導することが必要です。
特定技能「介護」のメリット・デメリット
特定技能「介護」のメリット・デメリットは以下の通りです。
メリット
- 採用前に、技能試験と日本語能力試験に合格しているため、介護の基礎知識を理解している。
- 技能実習のように入国後の講習受講などの義務がないため、現場で働くまでに時間がかからない。
- 新しく開設した介護施設の事業所でも、すぐに雇用ができる。
デメリット
- 特定技能は、転職が認められているので、外国人の離職リスクはある。
- 訪問サービスの仕事には従事できない。
まとめ
特定技能「介護」の外国人は、人手不足解消策として、今後増えて行くことが期待されています。
他の介護系の在留資格よりも、学歴や経験等の要件が緩く設定されているため、早急に人材を確保したい事業所には、特定技能「介護」が受け入れやすくおすすめです。
介護系の在留資格を選ぶ場合は、従事する業務内容を確認して、適任者を選ぶようにしましょう。
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