技能実習生が入国できないがための苦悩
新型コロナの影響が長引き、半年以上も待てど暮らせど技能実習生入国の目処が立たない、2021年5月現在そんな声を多く聞くことが多くなりました。また一方、技能実習が終わっても帰国できないという実態もあります。今回は新型コロナの影響が色濃く出てしまっている、帰国困難な技能実習生を特定技能として受け入れる場合、お客様より問い合わせの多い、特に手続きが必要な国について触れていきます。さらに、ここでは自社が登録支援機関として特定の手続きをしなくてはならなくなったことを想定して詳述して行こうと思います。なお、以下は国内にいる在留外国人について必要となることを申し添えます。
送り出し機関と募集取り決めについて契約を締結する
募集をする前にそもそもフィリピン共和国の認定送り出し機関と募集する企業等が契約を締結しなくてはならないこととなります。(職業紹介会社を通して募集活動を行う場合にも、フィリピン共和国の認定送り出し機関と募集の取り決めに関して契約が必要です。)
さて、ここでいう契約とは、何についてどう取り決めを行うものでしょうか。この取り決め内容についてはフォーマットがあり、以下のような項目を埋めていく必要があります。
ざっくりどんなことが書かれているのか見ていくこととしましょう。
送り出し機関がやること | 健康診断、(出国等のための)資料作成・準備及び求職者へ就労する国ついてのオリエンテーションの提供など |
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雇用する企業がやること |
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*現状おおよそ雇用予定の方ひと月分の給料が相場のようです。(詳しくは弊社もしくは専門家にお問い合わせください。)
POLO RECRUITMENT AGREEMENTフォーマットリンクはこちら/こちらのフォーマットはフィリピン共和国国内にいる外国人にも、日本に在留するフィリピン共和国国籍の方にも適用されるとのことです。(認定送り出し機関の一覧はこちら)
日本にある公証人役場にいく
さらに、この取り決めについて送り出し機関と正式に締結したら、今度は日本の公証人役場に行って公証を行っていただく作業が次に控えています。これは外国文書を認証してもらうというステップになります。
雇用企業か代理(特定技能登録支援機関など)が行うこと |
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通常、監理組合や登録支援機関が代理で公証人役場に赴き手続きをすることが想定されるかと思いますがその場合、代理認証という扱いで認証を行うことになります。以下、持参すべきものを列挙します。
代理(特定技能登録支援機関など)が持参すべき書類 |
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求人・募集内容を大使館の労働事務所に行って申請し交付を受ける
さてここまで、フィリピン共和国の認定送り出し機関と募集に関してGOサインが出ました。かと言って、すぐに募集を始めて良いということではありません。その後、POLO(駐日フィリピン大使館海外労働事務所、東京都と大阪に現在は2か所のみ)へ登録申請手続きを行います。ここでの登録は、1.雇用契約書のひな形、2.求人・求職票等の承認に向けた登録ということなります。最初に書類審査があり、その後受け入れを予定している雇用企業等の代表者が出向いて(現在、一部オンラインも可)、原則的には自身一人で(プロの通訳社の同席は可)英語による面接を受け、雇用条件等への質問に応えて雇用条件等が認められれば登録推薦状一式(推薦を受けた雇用契約書と求人・求職票等と推薦状)の交付が得られることとなります。
弊社がつかまえている情報として、最低賃金水準ではなかなか雇用条件としてPOLOには認めてもらえないという声が聞かれます。何度か交渉するつもりでいた方が良いかもしれません。
さらにさらに、この推薦状一式を先の認定送り出し機関へ送付し本国のPOEA(フィリピン海外雇用庁/Phippline Overseas Empyoment Administration)へ登録手続きを行い、登録された雇用契約書の返送をもって募集活動を初めて行えることとなります。POEAホームページも確認
これ以降の特定技能1号受入手続きは以下を確認しましょう。
LINK: 特定技能1号の受け入れフローと支援内容
いかがでしたでしょうか。なかなか手強いというのが感想かもしれません。2021年5月現在フィリピン共和国とベトナム社会主義共和国の2カ国が追加の手続きを必要としています。今後他の国でも広がってくる可能性もあるため、適時に情報を押さえていきたいものです。