自動車運送業の特定技能1号試験が開始された
自動車運送業の特定技能1号外国人試験が2024年12月16日から開始されました。
分野は以下3つに分かれています。
- タクシー(安全運転・乗務記録の作成・乗客対応)
- バス(安全運転・運転前後の車両点検・乗客対応)
- トラック(運転前後の車両点検・安全運転・運行記録・荷物の固定)
試験結果に関してはまだ公表はないものの、運送業の人手不足に対して、外国人材が有効手段となる可能性に期待できます。
公益社団法人鉄道貨物協会の資料「本部委員会報告書」によると、運送業の労働人口は84万人となっており、2028年には約27.8万人のドライバー不足になると予想されている状況です。
そのうえで、政府としては今後5年間で2万4,500人の外国人材を運送業で受け入れる方針としています。
自動車運送業の特定技能1号外国人となれる在留資格
自動車運送業の特定技能1号外国人となれる在留資格は以下のとおりです。
- 特定活動46号
- 永住者や配偶者、定住者などの日本在住が把握できる
- 留学生(28時間以内などで就労可能なケースもある。正社員となる場合は在留資格の切替が必須)
留学生や特定活動46号の方であれば、日本語がハードルになるケースはほとんどありません。
どのケースでも受験前に運転免許証を取得しておくことが求められます。
また、海外在住の方に関しては実施国がまだ確定していません。
そのため、日本に居住しておらず、日本の大学を卒業していない場合は以下の方法でしか、自動車運送業の特定技能1号になることはできないといえます。
- 外国人材は上記のいずれかの在留資格になるか
- 短期滞在の在留資格を取得し特定技能1号試験に合格する
留学生の正社員採用や労働に関して、詳しく知りたい場合は以下の記事をみてみましょう。
知っておきたい。長期休暇の留学生を雇用する場合に確認したい項目とは
自動車運送業の特定技能1号外国人となれる条件
自動車運送業の特定技能1号 外国人となれる条件は、以下のとおりです。
区分ごとの特定技能1号評価試験に合格する前に運転免許が必要な点も知っておきましょう。
区分 | 必要とされる日本語試験 | 必要される運転免許 | 学習用テキスト配布団体 |
トラック | 日本語試験N4国際交流基金日本語基礎テストA2技能実習制度2号修了 | 第一種運転免許 | 公共社団法人全日本トラック協会 |
タクシー | 日本語能力試験N4 | 第二種運転免許 | 一般社団法人全国 ハイヤー・タクシー連合会 |
バス | 日本語能力試験N4 | 第二種運転免許 | 公共社団法人日本バス協会 |
各テキストの内容をみてみると、道路運送業の概要からどういった義務があるのか、道路表示のルールなどがわかりやすく記載されています。
仮に、日本の運転免許を取得している場合、そこまで難しい内容ではないといえるでしょう。
しかし、日本語を今から学び、免許取得を目指す場合は、道のりは長いと予想されます。
また、海外に住んでいる場合と日本に住んでいる場合は、次のような違いもあります。
- 日本に住んでいる外国人材-特定技能の在留資格に切り替える前に免許取得が必須。特定技能評価試験と日本語試験よりも順番としては、免許所得が優先。
- 海外に住んでいる外国人材ー入国後6ヶ月から1年(トラック6ヶ月、タクシー・バス1年)の特定活動期間中に外免切替などによって自動車運転免許の取得が必須。外免切替も試験であるため、対策も必須。また、免許を取得した国には3ヶ月以上の在留記録が必須
それぞれの要件を満たさなければ、受験すらできない点や他分野での特定技能での活動も5年の在留期間にカウントされる点は知っておきましょう。
自動車運送業で特定技能1号外国人を雇用する際のポイント
自動車運送業で特定技能1号外国人を採用する場合には、以下のポイントを意識するとよいでしょう。
- 労働基準法や出入国管理法などの法令違反がないか
- 雇用体制として外国人採用ができるかどうか(雇用条件が整っているかどうか、研修が実施できるかどうか)
- 採用支援企業も含めて教育体制を構築できているか
企業として、特定技能1号外国人を採用する場合には、まずは、社内ノウハウと雇用契約や研修の内容確認からスタートしましょう。
次に、在留資格の内容を把握し、自社に必要な外国人材を定義する必要があります。
たとえば、長期目線での人材確保であれば、「日本語が通じて長く働ける在留資格を持つ人材」などと定義するとよいでしょう。
まとめ
2024年12月から自動車運送業向けの特定技能1号試験が開始されました。
試験はタクシー・バス・トラックの3分野に分かれ、日本語能力に加え、各種運転免許が必要です。
そして、採用時には法令遵守や適切な雇用・教育体制の整備が重要です。
仮に、「自動車運送業として外国人採用を行いたいがノウハウがない」「人材を採用したいがまず自社の状況から整備したいが悩んでいる」といった場合はLTBにご相談ください。
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