そもそも在留カードとは
在留カードとは日本に中長期在留する外国人に携帯を義務付けている身分証と考えて良いかと思います。大きさは免許証や銀行のカード、クレジットカードなどと同じ大きさです。日本に中長期、平たく言うと半年以上在留する外国人が保有しています。
この在留カードには、写真の貼付に加え、名前、性別、国籍、生年月日、在留資格のほか、住所等が記載されています。
偽造はなぜあるのか
なぜ偽造をしようとするのでしょうか。できれば有利な在留資格で長期間日本に居たいからという理由が一つ挙げられます。「有利な」というのは、在留期間に制限がないこと、働くことのできる業務内容や時間に制限がないステータスが欲しいからと考えて良いかとおもいます。また、様々な事情から母国に帰れなかったり、日本にいてもっと働きたいからというのが大きな理由かと考えます。例えば、失踪した技能実習生や在留期限が切れたり、退学・ドロップアウトした留学生などが挙げられます。
在留カードのチェック方法
ホログラムの有無を確認しましょう。ホログラムは、下図のように数カ所あり、下記3箇所のように角度を変えると緑色からピンク色に変わります。
また、在留カード等番号失効情報照会も一つの方法ですが、有効な番号が売買されているケースがあるため、予め照会してもその有効性に制限があることを知っておいた方が良さそうです。
5つの質問
では実際に面接に来た外国人の在留カードがどうもおかしい、ホログラムがあるような、あっても色が変わらないなどの疑問がある場合に、質問をしてみましょう。
- パスポートの確認をさせてほしいと聞いてみましょう。在留資格によっては、指定書と言われる本人が働ける業務の範囲が書いてあるものがパスポートに貼付されています。在留カードとパスポートの指定書の期限や在留資格が異なってはいないでしょうか。
- 本人が入国した時の在留資格を質問してみましょう。さらに、持参した履歴書と在留資格が合致するか確認しましょう。明らかに履歴書に書かれている学歴や職歴と在留資格が違うことはないでしょうか。
- 今住んでいる最寄駅を聞いてみましょう。在留カードには本人の住所が記載されています。記載されている住所と、最寄駅が近いかどうか質問してみましょう。
- 引っ越しが可能か質問してみましょう。もし、住んでいるエリアから働く場所がものすごく遠い場合は引っ越しが可能か、市役所などに出向いて転入転出と言った届出が可能か質問してみましょう。
- 就労資格書を入国管理庁へ行って取り付けが可能か質問してみましょう。もし、入管に行くのを避けようとしている様子であれば、理由を尋ねてみましょう。
ただし、個人情報に関わる機微な質問になるため、相手を尊重する気持ちを忘れたくないですね。何かチグハグな回答をしたり、回答を誤魔化されたりする場合は採用を見送った方が良いかもしれません。
それでも不安な時はこの方法
在留カードにはICチップが埋蔵されています。もちろん本人の了解をえた上で、アプリでスキャンすることで、ICチップの情報を取り出して確認することが可能です。ICチップをスキャンすることでわかることは先にあげた個人情報が写真とともに取得できます。
最後に、偽造する外国人だけが悪者ではない
残念ながら、在留カードを偽造した外国人もやむに止まれぬ事情で偽造しているのではないかとも思われます。失踪した技能実習生は、実習先でひどい待遇を受けて、帰国しようにも多額の借金を抱えて、なんとか働き口を見つけ、借金を返済しなくてはいけない、母国の家族にどうしても送金しなくてはならないなどの現状があります。
さらに、偽造在留カードに出会ってしまった場合には、雇用は控えるのは勿論、入管に通報するほか、人権団体なども彼らの味方になってくれるかもしれません。