外国人雇用の懸念点で私たちがよく聞くのが「文化の違いがあるから不安」という言葉です。
文化の違いと聞くとなんとなくは想像できるかもしれませんが、具体的にどのようなことが起こるでしょうか?また日本人はどのような文化の違いを懸念しているのでしょうか?
日本人が想像する文化の違い
日本人が想像する文化の違いはどのようなものがあるかいくつかあげてみました。
- 宗教
- 食べ物
- 時間にルーズか否か
- 仕事に対する姿勢
宗教や食べ物に関しては雇用する際に一度体制を整えてしまえば、後々トラブルが起こることは少ないでしょう。また起きたとしても対処がしやすいのではないでしょうか。なぜなら宗教であればしなければならないことがはっきり決まっている為、あらかじめお祈りの時間を決めることができますし、食べ物に関しては本人が自分で用意することができるからです。
特に雇用した際に問題となりやすいのが、時間に対する意識と仕事に対する姿勢でしょう。
日本人は一般的に時間に正確な国民であると言われています。一方、海外は国によっては公共交通が全く時間通りに動かないところもあります。そのような環境で長い間暮らしていれば時間を守らないことは当然になってしまうでしょう。そして習慣というのは恐ろしいもので日本に来たからといってすぐに日本人のように時間に正確になれる訳ではありません。また仕事に対する姿勢も国によって全く変わってきます。日本人の中で常識になっているものが彼らにとってもそうだとは限りません。
外国人にその常識が言わなくても伝わるという思いは後々大きなトラブルにも繋がりかねません。
どのような違いが実際にあるのか
日本人の私たちが想像するような時間や仕事に対する姿勢の違いは実際に存在します。時間に関しては遅刻が多いなど単純なものです。しかし仕事に対する姿勢というのは一言で片づけられないでしょう。実際に筆者が見聞きした具体例を紹介します。
- 友人が失恋して朝まで話を聞いていたから仕事に来られなかった
- ファストフードのレジでお客様の注文を取っていた途中でシフトの時間が終了した為、引き継ぎもせずに帰ってしまった
- 国に帰国する為、突然退職してしまった
- 入社間もないにも関わらず長期の休暇の申請をした
- 休憩時間が終わっても戻って来ない
- 業務開始時刻に出勤する
この例の共通点は会社やお客様より自分の都合を優先させているということではないでしょうか?しかし、雇用主の話を聞くと普段の彼らは熱心に業務に取り組んでいて、会社もとても助かっていると言います。なので、この記事を読んでいる皆様は「これだから外国人は…」と片付けてはいけません。次にこのようなトラブルを放置した場合、どのような結果になるか紹介していきたいと思います。
起こりうる結果
まず外国人労働者の自己中心ととられる行動を受け入れてしまった場合、他の日本人の従業員がいい顔をしないでしょう。ほとんどの職場で外国人より日本人が多いかと思います。そのような場合、職場でいじめに発展しかねません。
次に外国人を注意した場合はどうでしょうか?注意の仕方によっては外国人の不満を募らせてしまいます。なぜなら彼らの常識では上記のことを行っても何も問題がないからです。
解決するには
解決するにはしっかりと手順を踏んで日本の文化を分かってもらうしかありません。その手順について紹介します。
- 外国人のした行動を注意する
- 理由を説明する(例:いきなり帰国されたら人員の調整ができない等)
- 外国人の話を聞く
話を聞けば文化の違いが原因なことがほとんどでしょう。
そして一番効果的なのは、トラブルを未然に防ぐことです。入社前に帰国時のルールを定めたパンフレットを配布したり、細かい社内のルールを周知徹底したりすれば外国人たちも注意されずに気持ちよく働くことができます。「ルールが多いと息苦しく感じるから不要!」と思う方もいるかもしれません。ただ自分が外国で一人働くとしたらどうでしょうか?自分の常識で行動して他の従業員に嫌な顔をされるくらいなら、初めから決められたものを守る方が働きやすいのではないかと思います。