日本に在留する帰国困難者へのコロナ禍における特例措置
新型コロナウィルスが世界を巻き込んでパンデミックになってはや一年以上経ちました。私たち日本人でさえ、この1年大変な時を経験して来ましたが、日本に在留する外国人、特に帰国困難とされている外国人の入管法上の特例措置について、面接に来たけどどうすればいいのかと言う観点から今回は触れていきたいと思います。暫定的な側面が強いため、今後執筆した日から大きく変わる可能性があることを申し添えます。
まず、在留期限が切れていないかどうかを確認しましょう。
在留カードについては、穴あけされて無効化されていないこと、パスポート(旅券)に在留資格変更許可・在留資格更新許可・上陸許可などのシールが在留期限内であることが必要です。
また、3月以内の在留期間の場合にはパスポート(旅券)にシールが貼られています。さらに、シールに「Cancelled」の押印などで無効化されていないことも併せて確認します。
さて、次に働かせて良いかどうかの判断基準について見て行くこととしましょう。
元留学生に対する特例措置
2020年3月以降に卒業した留学生に適用されている措置です。就職も叶わない、帰国もできない、そういった場合は週28時間までの就労は認められています。何を見たらわかるのかと言う議論ですが、所持している在留カードの種類によって異なります。本人たちが自分が現在何のビザを持っているのか分かっていないケースも散見されるため、以下のように分類しました。
特定活動(就活ビザ) | いわゆる就活ビザと言われるもので、在留カードの裏面に「許可:原則週28時間以内風俗営業を除く」のスタンプがあること、また、パスポートにも資格外活動許可のシールが貼付されます。 |
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留学 | まずはパスポート(旅券)を確認しましょう。貼付された指定書に、文言として「留学」の在留資格をもって在留していた者が本法から出国するための準備のための活動及び日常的な活動(1週について28時間を上限として収入を伴う事業を運営する活動又は報酬を受ける活動を含み、風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律(略)に従事するものを除く)と記載が有れば大丈夫です。なお、3月以内の在留期間が許可されている者は、在留カードはありません。パスポート(旅券)に貼付されたシールで確認してください。 |
技能ビザに対する特例措置
そもそも技能とは?と言う議論もあるかもしれません。中華料理店やインドカレー店などで、母国の料理を専門に扱うコックさんが多いかと思います。彼らは通常、自身の技能を発揮するべく入国して就労しているので、アルバイトや他の業種での就労は認められていませんが、2021年4月現在、週28時間以内の他業種での就労が認められています。確認方法ですが、在留カードの裏面のスタンプを確認する、また、パスポート(旅券)の指定書を確認しましょう。
元技能実習生に対する特例措置
技能実習生は、通常であれば入国する際に行っていい作業が決められています。2号以上を修了しても、他業種で働きたい場合は、技能評価試験に合格し特定技能へ切り替えて、雇用契約を得てから就労することとなっていること、同業種であればそのまま雇用契約を得られれば特定技能へ切り替えて働くことができます。
特定活動(元技能実習) | 技能実習生も本来、2号もしくは3号を修了すると(2号の場合は1ヶ月以上の一旦帰国)帰国する事となっていますが、帰国そのものが叶わないため、現在のところ特定活動と言う在留資格に切り替えて、修了後も継続して同じ作業で就労する事が認められています。こちらは、週28時間の縛りがありません。 指定書には「「技能実習」の資格を持って、又は出入国管理及び難民認定法の第七条一項第二号の規定に基づき同法別表第一の五の表の下欄に掲げる活動を(中略)指定されて在留していた者が下記の本邦の公私の機関との契約に基づいて引き続き当該機関において従前の同種の業務に従事する活動。」と記載があるかと思います。 |
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技能実習 | パスポート(旅券)指定書に週28時間の就労を認めると言う文言とともに、在留カードの裏面に「許可:原則週28時間以内風俗営業を除く」のスタンプがあることでアルバイトが可能になります。 |