特定技能1号を介護分野で導入する
特定技能1号では一定の日本語力と、その分野での一定の知識を持つことが期待されています。特定技能1号の外国人を介護分野で活躍してもらうためには、基本的に2つのテストに合格している必要があります。
日本語力については、日本語能力検定4級(JLPT-N4)もしくは国際交流基金日本語基礎テスト(JFT-Basic)に合格していること、そして、介護分野の技能評価試験と介護日本語評価試験に合格していることが条件です。
介護分野の2種類の試験はほぼ毎日全国のテストセンターで開催されており、合格率も総じて高い状態です。理由の一つとして、技能評価試験自体が多言語で行われていることとも背景としてあるかと考えられます。
現在、介護分野の評価試験は多言語で受験が可能です。(英語、クメール語、インドネシア語、ネパール語、モンゴル語、ミャンマー語、ベトナム語、中国語、タイ語)この評価試験で問われるのは、基本的な介護に対する知識と、介護で使われる基本的な用語についての日本語での理解力となります。
2022年、日本国内の技能評価試験受験者は9,998人、日本語評価試験の受験者は8,893人でした。合格者は技能評価試験については6,896人、日本語評価試験については6,628人と、いずれも50%を大きく超えています。以下では2022年の合格者の詳細を上げます。
テスト開催国別合格者数 | 日本国内 | フィリピン | カンボジア | ネパール | インドネシア | モンゴル | ミャンマー | タイ | インド | スリランカ | ウズベキスタン |
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技能評価試験 | 6,896 | 986 | 413 | 726 | 2,304 | 144 | 1,659 | 1,116 | 79 | 164 | 34 |
日本語評価試験 | 6,628 | 821 | 391 | 628 | 2,044 | 105 | 1,764 | 1,069 | 57 | 168 | 29 |
出典:厚生労働省
2022年だけでも、10,000人超の介護人材の卵が生まれていることになります。なぜ、他の特定技能の分野にも増して、試験の回数からみてもたくさんの合格者に活躍してほしいと政府として捉えているかについてもまとめてみました。
介護特定技能1号外国人を雇用できる介護施設
特定技能1号外国人を雇用できる介護施設及び仕事の範囲は決まっています。身体介護等(利用者の心身の状況に応じた入浴、食事、排せつの介助等)のほか、これに付随する支援業務(レクリエーションの実施、機能訓練の補助等)が対象となり、訪問介護等の訪問系サービスにおける業務は対象外となります。
児童福祉法関係の施設・事業 | 肢体不自由児施設又は重症心身障害児施設の委託を受けた 指定医療機関(国立高度専門医療研究センター及び独立行政 法人国立病院機構の設置する医療機関であって厚生労働大 臣の指定するもの) 児童発達支援 放課後等デイサービス 障害児入所施設 児童発達支援センター 保育所等訪問支援 |
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障害者総合支援法関係の施設・事業 | 短期入所 障害者支援施設 療養介護 生活介護 共同生活援助(グループホーム)(外部サービス利用型を除く) 自立訓練 就労移行支援 就労継続支援 福祉ホーム 日中一時支援 地域活動支援センター |
老人福祉法介護保險法関係施設・事業 | 第1号通所事業 老人デイサービスセンター 指定通所介護 指定地域密着型通所介護(指定療養通所介護を含む) 指定認知症対応型通所介護 指定介護予防認知症対応型通所介護 老人短期入所施設 指定短期入所生活介護 指定介護予防短期入所生活介護 特別養護老人木一ム 指定認知症対応型共同生活介護 指定介護予防認知症対応型共同生活介護 介護老人保健施設 介護医療院 指定通所リハビリテーション 指定介護予防通所リハビリテーション 指定短期入所療養介護 指定介護予防短期入所療養介護 指定特定施設入居者生活介護 指定介護予防特定施設入居者生活介護 指定地域密着型特定施設入居者生活介護 △1養護老人ホーム △1軽費老人ホーム △1ケアハウス △1有料老人ホーム △2指定小規模多機能型居宅介護 △2指定介護予防小規模多機能型居宅介護 △2指定看護小規模多機能型居宅介護 △1:特定施設入居者生活介護(外部サービス利用型特定施設入居者生活介護を除く。)、介護予防特定施設入居者生活 介護(外部サービス利用型介護予防特定施設入居者生活介護を除く。)、地域密着型特定施設入居者生活介護(外部サービス利用型地域密着型特定施設入居者生活介護を除く。)を行う施設が対象。 △2:訪問系サービスへの従事は対象外。 |
生活保護法関係の施設 |
救護施設 |
その他の社会福祉施設等 | 他の社会福祉施設等 地域福祉センター 隣保館デイサービス事業 独立行政法人国立重度知的障害者総合施設のぞみの園 ハンセン病療養所 原子爆弾被爆者養護ホーム 原子爆弾被爆者デイサービス事業 原子爆弾被爆者ショートステイ事業 労災特別介護施設 |
病院又は診療所 | 病院 診療所 |
受け入れ人数の上限
事業所で受け入れることができる介護分野の特定技能1号外国人は、事業所単位で日本人等の常勤介護職員の総数を上限とすることとされています。ただし、この日本人「等」には身分系(永住者、定住者、日本人の配偶者等)外国人とEPA介護福祉士の外国人も含まれます。それ以外の在留資格を持つ外国人は特定技能1号のグループにカウントされ「外国人」として扱われることとなります。
いかがでしたでしょうか。介護分野での特定技能の試験を合格し、介護業界で働こうとしている外国人の数は1万人単位で増えていること、人手不足とはいえ特定技能1号の受け入れ人数には制限があることがお伝えできれば幸いです。
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