外国人労働者の動向については、新型コロナウィルスの影響もあり、しばらく入国者の減少が見られましたが、現在、入国制限解除によって徐々に外国人労働者の入国が再開してきています。
そこで、本記事では、外国人労働者の雇用状況について、特に国別ではどこの国籍が多いのか?また、これから注目される国籍について解説していきます。
外国人労働者の出入国データ
厚生労働省「外国人雇用状況の届出状況まとめ」【令和4年(2019)10月末現在】のデータによりますと、外国人労働者数は、約182万人で過去最高の数値となっています。
以下の表をご覧の通り、2019年12月初旬から流行した新型コロナウイルスの影響下、外国人労働者の増加率は減少していましたが、2022年に入ってから徐々に外国人労働者の受け入れが増加傾向にあることが、数値より読み取ることができます。
今後の動きとしては、技能実習制度の見直しや特定技能2号の対象業務拡大、留学生が就活しやすくなる特定活動46号など、外国人受け入れ政策が促進されているため、外国人労働者の採用活動が活発化していくことが予測できます。
年(10月末) | 外国人労働者数 | 前年度比 | 増加率 |
令和1年(2019) | 166万人 | 198,341人 | 13.6% ↑ |
令和2年(2020) | 172万人 | 65,524 人 | 4.0% ↓ |
令和3年(2021) | 173万人 | 2,893 人 | 0.2% ↓ |
令和4年(2022) | 182万人 | 95,504 人 | 5.5 % ↑ |
国別の外国人労働者の出入国データ
では、続いて日本に入国してくる外国人労働者の国別の状況を、同じく厚生労働省「外国人雇用状況の届出状況まとめ」から確認していきましょう。
以下の表は、令和1年(10月末)~令和4年(10月末)までの、国別の上位データです。
年 | 令和1年(2019) | 令和2年(2020) | 令和3年(2021) | 令和4年(2022) |
国別①位 | 中国418,327人 | ベトナム443,998 人 | ベトナム453,344 人 | ベトナム462,384 人 |
国別②位 | ベトナム401,326人 | 中国419,431 人 | 中国 397,084 人 | 中国 385,848 人 |
国別③位 | フィリピン179,685人 | フィリピン184,750 人 | フィリピン 191,083 人 | フィリピン206,050 人 |
令和2年より中国を抜いてベトナム国籍の雇用数が増加しています。
一方、中国国籍の雇用については年々、減少傾向となっています。また、中国国籍に次いで多いのはフィリピン国籍となっています。
では、上位の3つの国(ベトナム、中国、フィリピン)の外国人を雇用する際のポイントをまとめておきます。
ベトナム国籍の雇用ポイント
ベトナム経済の一部となっている海外労働者からの送金は、ベトナム政府が海外労働者送り出しを促進している理由の一つとなっています。
日本においても、ベトナム国籍の雇用が増加傾向にあり、特に技能実習生と留学生の増加率が高くなっています。
また、ベトナムに日系企業が多く進出していることで、日本に就職しやすいルートもできています。
また、ベトナム人は親日家も多く、日本人との相性が良いこともあげられます。
中国国籍の雇用ポイント
経済大国となった中国ですが、地域による経済格差もあり、給与の高い中国の大都市に就職するには、高学歴であることが一つの条件にもなっています。
また、中国では、都市と農村に分けた戸籍制度があり、農村戸籍の中国国民は、賃金の高い都市や海外出稼ぎに行くケースがあります。
中国人が日本を目指す場合は、留学生として日本で専門性を高めたり、中国国内よりも賃金の高い仕事を求める傾向にあります。
フィリピン国籍の雇用ポイント
フィリピン人が出稼ぎに行くエリアは、圧倒的に中東諸国が多くなっています。
ただし、中東エリアは、治安が悪く人種差別や虐待の問題が多く、安全性を求める理由で日本を選ぶフィリピン人も一定にいます。
また、フィリピン国内の賃金と比較すると日本の方が高いことも魅力となっています。
日本でフィリピン人を雇用する際は、フィリピン独自の雇用制度POLO・POEAに従って手続きを行います。
政府機関を通じて採用活動を進めるため、不適切なブローカーなどの問題は解消されています。
外国人雇用でこれから注目の国籍は?
ベトナム、中国、フィリピンに次いで増加率の高い国籍についてまとめておきます。
以下の表は、令和1年~令和4年で雇用の増加率の高い国籍についての数値です。
年(10月末) | 国籍 | 人数 | 前年度比/増加率 |
令和1年(2019) |
インドネシア ネパール |
51,337 人 91,770 人 |
23.4% 12.5% |
令和2年(2020) |
ネパール インドネシア |
99,628 人 53,395 人 |
8.6% 4.0% |
令和3年(2021) |
ペルー フィリピン ブラジル |
31,381 人 191,083 人 134,977 人 |
8.0% 3.4% 2.9% |
令和4年(2022) |
インドネシア ミャンマー ネパール |
77,889 人 47,498 人 118,196 人 |
47.5% 37.7% 20.3% |
では、雇用の増加率が高く、これから注目したい国について、概要を紹介していきます。
インドネシア
インドネシア人は国民の約90%がイスラム教徒であるため、雇用する際は、宗教や文化に対する配慮が必要です。
インドネシア人の特徴は、ゆっくりと穏やかな人柄であり、お互いの協力や助け合いを重んじる習慣があります。
仕事に対しては、キャリアアップのために転職は自由であるという考え方が主流です。
インドネシア人採用においては、インドネシア政府が管轄している「IPKOL」(労働市場情報システム)を利用するようになります。
ネパール
ネパールは、多民族多宗教で構成された国です。
ネパール国内においては、ヒンズー教や仏教、キリスト教、イスラム教などの違いと、民族による習慣文化の違いを普段から体感して暮らしています。
ネパール人の特徴は、フレンドリーな性格と面倒みの良さがあります。ネパール国内では就職先の選択が少ないため、日本をはじめ海外出稼ぎや留学する傾向が強くなっています。
ペルー
ぺルー人は愛国心が強く、カトリック信仰者が大半を占めています。
ペルー人の特徴はマイペースでのんびり型なので、仕事に慣れるまで時間がかかる傾向があります。
ペルー人雇用の際は、生まれた地域で性格が異なるため、出身地域や性格の特徴を加味して採用を検討する必要があります。
ブラジル
ラテン系の陽気な人柄で、人とのコミュニケーションを大切にする国民性です。
物事の考え方が大らかで時間に対してもルーズな一面もあります。
日本人労働者と比べて離職率が高く、ブラジル人はキャリアパスを重視する傾向があり、転職への抵抗はありません。
ミャンマー
ミャンマー国内の政治不安に伴い、海外をはじめ日本への出稼ぎ数が増加しています。
もともと海外への出稼ぎ労働者が多いミャンマ―でしたが、国内情勢の悪化によって国外へ向かう若者の数が加速しています。
仏教国ミャンマー人の性格は、日本人に近い部分もあり、自己主張しすぎず温厚な国民性です。
また、目上の人をよく敬う習慣があります。
まとめ
外国人労働者の国別の雇用状況についてまとめてみました。現在は、ベトナム人の雇用数が多く、続いて中国、フィリピンとなっています。
外国人を雇用する際は、国籍によって異なる採用プロセスや、それぞれのお国柄の違いなどについて事前に理解しておくことをおすすめします。
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