特定技能1号の特徴

公開日 2021年1月8日 最終更新日 2021年7月25日

彼らは労働者である

特定技能外国人の大きな特徴としては、国が「人手不足の一部を外国人の労働者の方達で賄う」と認めたことではないでしょうか。「技能実習生」は「最長5年間で習得した技術を母国に移転する」という建前がありますし、巷では「コンビニ留学生」や「出稼ぎ留学生」といわれ、みなさんも大手コンビニや居酒屋で目にすることが多くなったかと思いますが、「そもそも働いてもらう」ことを前提にしていないため、働く時間に上限があります。いままでは現場で「労働する」こと自体を認める在留資格がありませんでした。現業・現場で働く労働者として認めていくということも大きな特徴です。

ただし前提として、労働者でいる期間に上限があることは、やはり技能実習生と大きく変わりません。日本に少しでも長く住み、長期間働くことが夢である彼らにとって永住者になることが本望である一方、そのハードルは低くはないのが現状です。

さらに、特定技能を2号まで勤め上げたとしても、永住者としての条件を満たすことにはなりません。

特定技能1号は5年間だけのピンチヒッター

国が一貫して認めていない「移民政策」。長期にわたり在留し続けることを避けるためか、特定技能1号外国人は5年間だけしか日本に在留できないこととしています。この5年間は『通算』で5年間となり、日本に在留する期間そのものが制限されていることになります。

弊社のお客様からも賛否両論あり、『せっかく自社の技術や知識が身についているのに帰国するとは!』ということで反対される方もおられれば、『平均5年程度で独立する人材が多いため、ちょうどいい』、『離職率が高く高い技能を求めているわけでもないので、5年は長い方だ』というご意見をいただきます。

あくまで予測の域を出ませんが、特定技能の制度が創設された際、技能実習生(2号で随時3級合格者等が対象)から特定技能へスライドが可能になった経緯を踏まえると、産業界からの要望などで期間の延長を法務省や入管が前向き考える日も来るかもしれません。

基本単身赴任

たとえ配偶者がいても、病気のご両親がいても日本には家族を連れてくることはできません。『単身赴任』『家族帯同は不可』というのは、特定技能1号外国人がスポンサーになって母国にいる家族を日本に呼び寄せることができないという意味になります。

また、一方、夫婦で特定技能1号外国人として同じ就労場所で働いた場合はどうなるのか?というご質問も頂きますが、これは働く外国人個々人に許可される在留資格が特定技能であり、有効に在留することには制度上問題はなく、むしろ問題になってくるのは夫婦に子どもが生まれたら在留を認めるのか?ということになってくるのではないでしょうか。

では、なぜここで単身赴任の話をするのかについて触れて行きます。そもそも、特定技能になりたいのか?ということが問題としてあるからなのです。私たちが日々面する外国人はできれば『家族まるごと日本に住みたい』という方がほとんどです。

外国人の一般的な夢は「夜でも女性が一人で出歩ける、ゴミが落ちていない清潔で安全な日本で家族と暮らす」ことです。できれば、「家族を連れて来られない、5年間しか日本に留まれない特定技能」よりも、他の在留資格で働きたいというのが外国人の本音です。

後述しますが、特定技能になるルートはいくつかあります。国外から入国する場合には技能実習生として入国するのと同様、彼らとしてさほど意識的な差はないかもしれませんが、国内で留学生等から特定技能になろうとするのは、現時点では前向きな意見は少ないように感じています。

そのため、『特定技能外国人』そのものの確保が段々と難しくなるのではないか、という制度上の制限が今後の課題になっていくのではないでしょうか。

特定技能外国人を受け入れる障壁

例えば、留学生を新卒で特定技能外国人として雇い入れた場合、かなりたくさんの資料が求められ、さらに3ヶ月に一度「特定技能外国人の就労状況」について、入管に報告書の提出が義務付けられています。

特定技能へ在留資格を変更する際の会社側が用意すべき資料(例:法人の場合、一部抜粋、支援機関に委託した場合でも必要)

    添付すべき資料

  1. 履歴事項全部証明書
  2. 役員の住民票(直接特定技能外国人雇用に携わらない方は省略可)
  3. 直近2年分の決算書
  4. 直近2年分の法人申告書
  5. 労働保険 概算・増加概算・確定保険料申告書と領収書
  6. 直近2年分の社会保険料領収書
  7. 源泉所得税及び復興特別所得税・法人税・消費税及び地方消費税の納税証明書
  8. 前年分の法人住民税の納税証明書
    準備すべき資料

  1. 特定技能外国人の雇用条件書
  2. 特定技能外国人と同じ様なポジションで既に働いている日本人の賃金台帳等

このほか特定技能外国人を雇い入れる上での支援計画書や、支払うべき給料の内訳や給料から差し引くべき控除の項目まで事細かく記載をしなくてはなりません。さらには、技能実習生のように寮の準備は必須ではないものの、一人当たりの専有平米も決められており記載する必要があります。

なぜ必要なのか。おそらく技能実習生で国際社会から「現代の奴隷制度」と揶揄され、2018年秋から冬にかけて、技能実習生の実態が国会でも取り上げられ、報道もされました。そういった観点をできる限りなくすためにも、入管に対して先に「こんな予定で外国人を特定技能で雇用します」という約束をさせているのだろうと考えます。

国内・国外の両方からリクルートできる

技能実習生は国外からのリクルーティングしかできない制度でした。一方、特定技能は国内にいる外国人で一定の要件を満たせば雇い入れが可能です。

国内にいる外国人側の要件(一部抜粋)

  1. 退学していない留学生コロナの影響により緩和されています。
  2. 失踪していない技能実習生
  3. 難民申請中の特定活動(技能評価試験の受験はできることとなりました。ですが、実際に申請して許可されるかは不明です。)
  4. 国内に在留する外国人であれば国籍は基本問わない
  5. 満17歳以上
  6. 中長期の在留資格がある人

例としてはラーメン店でアルバイト雇用していた留学生を、現場で正社員として迎えることができることになります。

国外からのリクルーティングですが下記の国は日本国政府と二国間の取り決めがあり、現地で、国際交流基金日本語基礎テストが行われています。これは悪質な仲介あっせん業者を排除するために締結(予定も含む)がなされています。なお、二国間の取り決めがなくても受け入れが可能ですが、イラン国籍を持つ方は受け入れ対象とならず、特定技能を取得できません。

  1. ベトナム
  2. フィリピン
  3. カンボジア
  4. 中国
  5. インドネシア
  6. タイ
  7. ミャンマー
  8. ネパール
  9. モンゴル
  10. マレーシア
  11. スリランカ
  12. バングラディシュ
  13. ウズベキスタン
  14. パキスタン等

他の在留資格への変更は一応妨げられていない

特定技能の在留資格を持つ外国人が現場の仕事からもっと高度なオフィスワークや本部勤務になるということもあるかもしれません。そういった方達にふさわしい在留資格はあるのでしょうか。答えはイエスです。
現場で一通り重要なことを学び、優秀な方であればもっと昇進させて、社の利益に貢献して欲しいと思うのが企業の本音ではないでしょうか。2020年3月現在、入管に確認をしたところホワイトカラーで働く外国人に認められる技術・人文知識・国際業務という在留資格に変更することは妨げないという回答を得ています。この在留資格を保有すれば、おかしなことがない限り更新をすれば帰国を強要されることはなくなります。
なお、永住者の要件として日本での在留期間がありますが、その期間にはこの特定技能であった期間はカウントされません。

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