特定技能1号とは

公開日 2021年1月10日 最終更新日 2021年7月25日

特定技能1号とは

特定技能1号とは2019年4月に施行された「特に人手不足が顕著な14業種」に外国人を労働者として受け入れるべく創設された制度になります。

ここでは「なぜそもそも外国人を労働者として日本で受け入れて行かなくてはいけないのか、他に方法はないのか、逆に外国人を雇用するメリットはあるのか?」という点、さらには「現場でのメリットデメリット」「今までとの違い」について言及して行こうと思います。

日本は言わずと知れた少子高齢化社会です。2025年には「超」高齢化社会がやってきます。少子高齢化、人口減少。2025年には毎年死亡すると予測される人数は65歳以上で140万人、全体で160万人と言われています(厚生労働省推計今後の高齢化の進展より)。一方、出生率は1.36(2019年)出生数は90万人を割っています。(日本経済新聞2020年6月5日19年の出生率1.36)出生した人口から死亡した人口を差し引きしてずっとマイナスが続くことが予想され、このままで行けば年間70万人ずつ人口が減少していってしまうことになります。


総務省 我が国の人口の推移より

少子高齢化で労働力減少に歯止めをかけるための一つの施策として政府が打ち出したのが特定技能です。政府は当初の目論見として2019年から向こう5年間で35万人の特定技能外国人を生み出すことを目標にしています。

皆さんの周りで人手不足に困っている経営者はいらっしゃいますでしょうか。この文章を執筆しているのがコロナによる緊急事態宣言下のため、逆に仕事を探すのが大変な求職者が多いのが実情かと思います。

そんな中でも製造や建設、介護といった生活インフラ・エッセンシャルワークといった業種は人材を探しています。現場スタッフの高齢化も目立ってきていて、新入社員が60代ということも散見されます。シニア層がバリバリ働ける社会は素晴らしいと思います。一方、少子化がついて回る現在の日本社会ではシニア層もいつかは事切れてしまうことになります。

ここからは、特定技能1号外国人が日本社会で期待されていることや、彼らの就業に関する制限、実際の現場の生の声などをピックアップして行こうと思います。

日本に住む外国人は約300万人

出入国在留管理庁は、2021年3月、昨年末時点の在留外国人数が293万3137人であったと発表しました。この数字は前年末と比べ約20万人も増えており、5年連続で過去最多を更新しています。中でも注目すべきは技能実習生の数の伸び様です。昨年末時点での国内の技能実習生は約41万人にも上り、留学生約34万人を優に超える数となりました。
一方、2019年4月に新たに創設された在留資格「特定技能」はどうでしょう。政府は初年度で最大約4万7000人を見込んでいましたが、現実は2020年9月時点でたったの8,769人です。

「特定技能」って何?

さて、就労ビザにはどんな種類があるでしょうか。メジャーな技術・人文知識・国際業務から教授、芸術、宗教などの種類まで、特定技能を含め全部で19種類あります。
そのうち特定技能で外国人の受け入れが可能な業種は特定産業分野と呼ばれる14分野です。

  1. 介護
  2. ビルクリーニング
  3. 素形材産業
  4. 産業機械製造業
  5. 電気・電子情報関連産業
  6. 建設
  7. 造船・舶用工業
  8. 自動車整備
  9. 航空
  10. 宿泊
  11. 農業
  12. 漁業
  13. 飲食料品製造業
  14. 外食業

特定技能外国人への道

そもそもどのような手続きを踏めば「特定技能」という在留資格を手に入れることができるのか?これには大きく分けて2種類のルートがあります。

  1. 技能実習2号を良好に修了した者が、技能実習の業務内容に関連する特定産業分野に移行する。
  2. 国際交流基金日本語基礎テスト日本語能力試験(N4以上)どちらかに合格し、かつ特定産業分野別に定められた技能評価試験に合格する。

1の場合は、もうすでに技能実習生として似たような仕事をこなしてきた人たちが、原則いったん帰国した後で在留資格を変更し、より長い期間日本に滞在することができるようになります。2 の場合は、卒業後の進路として日本で働くことを考えている留学生を見込んでの制度といえるでしょう。

日本語の理解度は?

2のルートで特定技能ビザを取得するには「国際交流基金日本語基礎テストか日本語能力試験(N4以上)を合格する」、という要件がありますが、どのくらいのレベルの日本語力なのか、日本人の感覚からは分かりにくいですね。
言葉で説明するとするならば、

  • ごく基本的な個人的情報や家族情報、買い物、近所、仕事など、直接的関係がある領域に関する、よく使われる文や表現が理解できる
  • 簡単で日常的な範囲なら、身近で日常の事柄についての情報交換に応ずることができる
  • 自分の背景や身の回りの状況や、直接的な必要性のある領域の事柄を簡単な言葉で説明できる

といったレベルです。これでもイメージがつかみにくいかと思いますので、実際にこのレベルで話している音声を聞いて頂くとよりはっきりとお分かりになるかと思います。こちらのページのA2レベルを参考にしてみてください。

A2レベルとは

技能評価試験ってどんな内容?

例えば、外食業の試験内容を見てみましょう。試験は3科目から構成されています。「衛生管理」、「飲食物調理」、「接客全般」の3つをしっかり学習することが求められます。「衛生管理」では、食中毒の知識や食物の汚染防止、HACCPなどを、「飲食物調理」では、食材の下処理、調理方法、調理器具などを、そして「接客全般」では接客における基本動作や食事マナー、営業準備と閉店作業やクレーム対応についても学びます。

当社では外食業分野における特定技能外国人第1号を送り出しています。技能評価試験合格まで週に1回学生たちと共に机に向かって試験の準備を進めてきました。専門学校生の彼らですが日本でのアルバイト経験を生かし「飲食物調理」や「接客全般」の学習は案外早く進みました。しかし難関は「衛生管理」。食中毒の原因となるウイルスや細菌の名称(O157、セレウス菌、サルモネラ菌、ウェルシュ菌、ノロウイルス等)はもちろん、鶏の卵なら中心温度が70度で1分以上の加熱が必要など詳細な知識まで求められます。彼らも首をかしげながら必死に勉強していました。

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