外国人社員にも適用、労働基準法の確認しましょう!

公開日 2022年2月7日 最終更新日 2022年4月27日

はじめに

外国人社員を雇用する際は、労働基準法の基づいた雇用契約を結ぶことが必要となります。外国人社員も日本人社員と同様に労働基準法に守られた労働環境で働くことができることが基本となります。
労働基準法、最低賃金法、労働安全衛生法、労働者災害補償保険法等については、外国人についても適用され、労働条件面で国籍による差別も禁止されています。
少子高齢化に伴う人手不足に対して、外国人を雇用している企業が増加傾向にある中、雇用条件等の不正行為によってペナルティを科せられるケースも発生しています。
後になってから知らなかったでは済まない罰則のリスクを回避するためにも、もう一度、外国人雇用に関する注意点について確認して行きましょう。

労働基準法とは?

労働基準法は、労働条件に関する最低基準を定め、労働者を保護するための法律です。正社員・契約社員・アルバイトやパートなどの労働者すべてが対象となります。外国人雇用の際は、国籍問わず適用されます。

(労働基準法第3条)…
「使用者は労働者の国籍、信条又は社会的身分を理由として、賃金、労働時間その他の労働条件について、差別的取扱いをしてはならない」

労働条件の最低基準について

●労働時間:労働基準32、34、35、36条
・労働時間の上限は原則1日8時間、1週間で40時間です。休日は、最低、週に1日取る必要があります。
・休憩時間は、6時間を超える勤務では最低45分、8時間を超える勤務では最低1時間の休憩時間が必要です。
・時間外労働(残業など)や休日労働を行う場合は、『36協定』を締結して労働基準監督署への届出が必要になります。
・1ヵ月の時間外労働の合計が60時間までの場合、通常賃金の25%以上、1ヶ月の時間外労働の合計が60時間を超えた場合、通常賃金の50%以上、休日労働に対しては、通常賃金の35%以上の割増賃金が必要となります。

※36(サブロク)協定/様式第9号
労働基準法第36条による時間外・休日労働に関する協定届。
超過労働の上限時間は、月45時間、年間6ヵ月まで、年360時間となります。繁忙期などで限度時間を超える労働が必要となる場合は特別措置として、特別条項付で年720時間、複数月平均80時間以内、月100時間未満の時間となっています。
36協定の届出を行わずに超過労働を行った場合は、労働基準法違反となります。

●有給休暇:労働基準法第39条
・6ヵ月間継続して勤務し、全労働日の8割以上出勤した場合、年次有給休暇を取ることができます。有給休暇の取得可能な日数内であれば、休暇中の賃金の減額はありません。

●賃金:労働基準法第24条
・外国人社員の賃金に関しては、労働基準法と出入国管理及び難民認定法に定められたな内容にそって決定します。賃金額は、日本人社員と同じ職務内容であれば同額の賃金になります。
・賃金の支払いは、通貨で直接外国人社員に全額を毎月1回以上一定期日を定めて支払う必要があります。

●最低賃金:労働基準法28条
・最低賃金とは、労働者に対して賃金の最低額を保障するものです。外国人社員も日本人社員と同様に最低賃金に基づいた報酬を支払う必要があります。
・雇用側と外国人社員が最低賃金以下で同意し雇用契約をした場合は、この契約は無効となり改めて最低賃金に基づいた雇用契約を締結することになります。
・最低賃金には2種類(都道府県別に定められた金額/特定・産業別に定められた金額)あります。この2種類の金額を照らし合わせて高額の方に合わせて最低賃金を設定します。この選定方法に違反した場合は、外国人受け入れ活動の停止となります。都道府県別の最低賃金は、毎年10月1日に改正されますので情報確認が必要です。
・雇用側が最低賃金を払わなかった場合の罰則は、50万円以下の罰金。特定・産業別最低賃金額以上の賃金額を支払わない場合には、労働基準法に罰則30万円以下の罰金が定められています。

●割増料金の適用 :労働基準法38条
・外国人社員に時間外労働や休日出勤をさせる場合、割増賃金を支払う必要があります。
・時間外労働 25%以上
・深夜業務(午後10時~午前5時まで)25%以上
・休日出勤 35%以上
・1か月60時間以上の時間外労働 50%以上

●就業規則:労働基準法92条
社員10名以上の会社の場合、会社のルールとして就業規則を作成する必要があります。労働時間、賃金、退職(解雇)については、必要記載事項の重要ポイントとして雇用側と外国人社員が双方で共有できる内容であることが必要です。

●解雇:労働基準法第20条
外国人社員を解雇する場合、原則として30日以上前に通告する必要があります。それ以外の場合には、罰則として解雇予告手当を支払わなければなりません。

●労働条件の明示:労働基準法第15条
労働基準法には、「使用者は、労働契約の締結に際し、労働者に対して賃金、労働時間その他の労働条件を明示しなければならない。」と規定されています。
労働条件には以下の内容を明示する必要があります。
〇労働契約の期間。
〇就業場所と業務内容。
〇始業時間と終業の時間。
〇超過労働時間の有無。
〇休憩時間、休日、休暇。
〇労働者を二組以上に分けて就業させる場合、就業時点転換に関すること。
〇賃金(退職手当、臨時に支払われる賃金等を除く)の決定。
〇賃金の計算と支払いの方法。賃金の締日と支払日、昇給について。
〇退職と解雇について。
〇退職手当の定めが適用される労働者の範囲。退職手当の決定。計算と支払いの方法。退職手当の支払いの時期について。
〇臨時に支払われる賃金(退職手当を除く)。賞与と最低賃金額について。
〇労働者が負担する食費。作業用品について。
〇安全と衛生について。
〇職業訓練について。
〇災害補償、業務外の傷病扶助について。
〇表彰と制裁について。
〇休職について。
上記内容は外国人社員が母国語で理解できるように解説することが必要です。厚生労働省HPより、各国翻訳版で『外国人労働者向けモデル労働条件通知書』が活用できます。
(翻訳版:英語、中国語、韓国語、ポルトガル語、スペイン語、タガログ語、インドネシア語、ベトナム語、クメール語、モンゴル語、ミャンマー語・、ネパール語、タイ語で対応しています。)

●強制労働の禁止:労働基準法第5条
外国人社員を雇用契約に反した労働を強制した場合には、雇用側のペナルティとして、1年以上10年以下の懲役または20万円以上300万円以下の罰金が科せられます。

●中間搾取の禁止:労働基準法第6条
外国人社員と雇用側の間に第3者が介入し、職業紹介、労働者募集、労働者供給に関して利益を得るような行為があった場合に対して、中間搾取の禁止が定められています。ただし、職業安定法の規定により厚生労働大臣の許可を得て行う場合や人材派遣業による版権業者に対しては中間搾取の対象にはなりません。違法の場合、1年以下の懲役または50万円以下の罰金が科せられます。

●損害賠償の予定、違約金の禁止:労働基準法第16条
外国人社員と雇用側において、契約の不履行による違約金や損害に対する賠償金の規定を定めることはできません。違法の場合、6ヶ月以下の懲役または30万円以下の罰金が科せられます。

●前借金相殺の禁止:労働基準法第17条
「前借金」とは雇用契約をする際に労働することを条件として雇用側から借り入れて将来、賃金から返済することを約束する金額を示します。
前借金による雇用側と労働者の間に拘束関係が生じないような防止策として、法令に定められています。違法の場合、6ヶ月以下の懲役または30万円以下の罰金が科せられます。

まとめ

外国人社員に適用される労働基準法について説明いたしました。外国人社員とのトラブルを前もって防ぐためにも法令に基づいた雇用契約を結び、外国人社員が理解できるような支援が必要となります。

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