宗教上の配慮が必要なケース
外国人を雇用する際に気をつける点として、思想・信条や宗教に関することについては、本人の自由を尊重して話題にしないことです。
外国人を採用する面接時においても宗教に関する質問は控えましょう。
ただし、会社側の対応としては特に話を持ち出す必要はありませんが、最低限知っておきたいケースについていくつか知っておくと良いでしょう。
食べ物について
外国人社員が宗教上食べられないものについては、事前に知っておきましょう。
社内食堂やランチのメニューなどで不都合が起きないように配慮が必要です。
また、社員旅行や社員どうしの食事会などで、外国人社員が困らないように気を配ってあげると、社内コミュニケーションも活性化していくでしょう。
なお、宗教による食事制限については、同じ宗教でも個人レベルで制限が異なるため、一概に、この宗教だから肉類は食べないという固定概念は取り除いておいた方が良いでしょう。
海外に一歩出たら、食事制限をしないという外国人もいます。
あくまでも、自社で働く外国人個人についての情報を得ることが大切です。
飲酒について
宗教上アルコール禁止の方もいます。お酒やビール以外にアルコールを含む食物や飲料水も制限されています。
会社での飲み会に参加する際は、外国人社員が飲酒を控えているかどうか確認しておきましょう。
よくありがちな、とりあえず一杯だけという強制は控えましょう。
宗教儀礼について
宗教上の儀式を日常的にしている外国人には、社内に礼拝スペースが必要な場合もあるかもしれません。
また、宗教上、断食を要する場合は、食事をとらない期間の勤務時間は、外国人社員の健康面や体力について配慮があるとよいでしょう。
他には、日本のクリスマスシーズンには、他の宗教を信仰している外国人が不快に感じるケースもあります。
したがって、会社のクリスマス会には、特に強制せず自由参加にした方がおすすめです。
身に付ける物について
宗教上、スカーフを巻いたり、立場上、特殊な服装を着なければならないなど、身体に身に付ける衣類や布などについて制限がある場合があります。
肌を露出することが、ご法度だったり、男女の距離に配慮が必要だったりなど、宗教上による服装の制限があることも知っておきましょう。
外国人本人の意向が大切
外国人の宗教に関して、企業側が情報をいろいろ調べて先回りして体制を整えるよりも、素直に外国人本人の意向を聞いてから対応をした方が良いでしょう。
一番気をつけたいポイントは、雇用する企業側が、宗教について必要以上に追求し過ぎたり、外国人社員が日本語でうまく説明できなくて意思の疎通がとれなかったりすることです。
宗教に関する習慣は、個人個人違うため、本人の意向を尊重できるようにサポートしていきましょう。
意外にも特に何もしなくてよい
宗教に関しては、外国人社員が何か要望を伝えてきた場合に、できる範囲でサポートしてあげると良いでしょう。
あまり細かく追求したりプライベートな範疇に入らなければ、問題はないはずです。
意外と特に何もしない。ああそうだったんだーぐらいのスタンスで対応できれば良いでしょう。
まとめ
外国人の宗教に対しては、意外とシンプルに考えて雇用する外国人に合わせて考えてあげると良いでしょう。
日本で働く外国人は、世界各国から来日しています。
多様性の時代に向けて、寛容な日本であることが外国人のみなさんに伝わるようにサポートできるといいですね。