外国人にもオンボーディングは必要
在留資格をしっかり確認し、ある程度のコミュニケーションができる外国人を採用したとしても、以下のような課題があります。
- 日本語の習熟度
- 文化の違い
- 業務内容の理解不足
とくに、言語の習熟度は、業務の質やコミュニケーションに大きく影響を与える要素です。
たとえば、会議やメール、指示の理解度が異なるだけでなく、顧客とのやり取りなどが発生する場合は柔軟な対応力も求められます。
また、日本語の理解が不足していれば、スムーズな業務遂行や長期的な活躍が難しくなってしまう場合も想定されるでしょう。
技能実習生や特定技能1号であれば、在留期限があり、仮に特定技能2号にならなければ帰国することになります。
そのため、企業としても入社段階のオンボーディングから、継続して成長を促す施策や育成計画を検討・実施しなければなりません。
とくに、人材不足とされている分野の現状や外国人材の人数を、詳しく知りたい方はこちらの記事から。
知っておきたいオンボーディングを成功させるための3つの方法
ここでは、オンボーディングを成功させるための3つの方法についてみていきましょう。
技能実習生や特定技能など、どのような在留資格を持っていても不安に思う要素は、日本人と大きくかわりません。
たとえば、コミュニケーションとして自分の居場所を作れるか、業務をスムーズに遂行できるかといった不安は誰でも抱えています。
そのため、人材の国籍に左右されないオンボーディングの仕組みを作ることが大切です。
また、外国人から選ばれる企業のポイントを知りたい方はこちらから。
徹底的な外国人材用マニュアルを作成する
徹底的な外国人材用マニュアルを作成した場合、次のようなメリットが得られます。
- 多言語対応にすれば外国人材に合った言語だけでなく日本語も学習できる
- 業務内容や手順、期待される成果などが明確になる
- 定期的な更新を行うことで、業務フローや法律の変化などに対応できる
言葉だけでなく図を用いて、解説することでより作業内容が把握しやすくなるといえるでしょう。
また、マニュアルを配布するだけでなく、業務に対する簡単なテストなどを実施すれば、スムーズな業務遂行や効率向上につながります。
業務に対するキャリアパスも明確に解説しておくことを推奨します。
たとえば、以下のようなビジョン共有も離職を防ぐためには大切な要素の1つです。
- 3年後は作業時のリーダーとして他人に指示してもらうレベルを目指す
- 5年後は部内のサブリーダーとして管理業務を行うレベルを目指す
- 8年後は部署リーダーとなり、一人で後輩の育成を担うレベルを目指す
マニュアル作成時には日本語特有の言い回しはできるだけ避け、外国人材にわかりやすい言い方とする点やキャリアパスを伝える場合も簡単な言い方にすることを推奨します。
社内制度として日本語学習の時間を設ける
日本語を学習する時間を設ける場合は、職場ルールや社内共通言語から覚えることが大切です。
外部の講師に、日本語の学習を依頼する場合であっても、社内の人間がチェックリストなど管理したり、定期的な話し合いを重ねながら教育を行っていく必要があります。
特定技能1号であれば、ある程度は日本語が通じるものの、日本人同士でもトラブルが起きるように言葉は100%伝わりきることはありません。
しかし、社内で3ヶ月・6ヶ月・1年といった期間ごとに、外国人材の日本語レベルをチェックしたり、研修の機会を設けたりすることで日本語学習意識も向上します。
また、日本語教育が進めば、技能実習生から特定技能1号、2号といった移行もしやすくなるといえるでしょう。
「現場のリーダーとして指示ができる外国人材でも特定技能2号に落ちている」ことから、自社の教育体制を見直すことも大切です。
相談窓口の設置やコミュニケーション導入などの環境整備を行う
入社したタイミングでは、さまざまな手続きが必要となるため、総務や人事が対応できるようにしておくと外国人材の不安が軽減されます。
ただし、多言語対応できない場合は、ガイドブックや申請フローをまとめた書類を用意しておくことを推奨します。説明する手間やわからない言語を理解しなければならないお互いの手間やストレスを減少させられるでしょう。
また、他社に依頼して、説明動画を作成しておくことも有効です。
在留資格の更新や住民票の登録・変更など、1つずつ手順を明確にしわかりやすく伝えていくことが大切です。
まとめ
外国人が活躍できる業種は幅広いものの、採用後の教育体制が整っていないケースは多いといえます。
しかし、外国人が働きやすい環境を整えることができれば、長期的な視点からの採用が可能となるため、人材不足の解決につながりやすくなります。
とくに中小企業においては、オンボーディングの体制を見直しながら、1つずつ対応していくことが大切です。
LTBでは労働力不足に悩む企業に対して、外国人材雇用をサポートしています。「人材は必要だけど採用後が不安」といったお悩みを持つ場合には、お気軽にご相談ください。