外国人が日本に住み続けるためには、入国管理法に基づいた在留資格を取得する必要があります。
在留資格の種類には、大きくわけて【就労できる在留資格】【就労できない在留資格】【身分系の在留資格】があります。
本記事では、4つの身分系の在留資格についての概要と取得条件などを解説していきます。
身分系の在留資格とは?
身分系の在留資格には、以下の4つの種類があります。
永住者
定住者
日本人の配偶者等
永住者の配偶者等
身分系の在留資格とは、就労制限や日本での活動に制限がなく在留が認められています。
では、4つの在留資格についてそれぞれ解説していきましょう。
永住者とは?
法務大臣が永住を認めた外国人で、在留期間に制限がなく日本に永住できる権利を取得した者を「永住者」といいます。
永住者は、日本人と同じように職業の選択の自由を得ることができます。ただし、日本人とは異なる点としては、外国人登録を行うことや、再入国許可の取得などが必要となります。
在留期限が無期限で、在留資格の更新手続きは不要です。
永住者の条件
永住者の取得条件は大きく分けて以下の3つとなります。
素行が善良であること
独立の生計を営むに足りる資産又は技能を有すること
永住者として日本国の利益に合すると認められること
では3つの条件について解説していきます。
1素行が善良であること
日常生活において住民として社会的に非難されることのない生活を営んでいること。
入国管理法違反や、交通違反などの法令違反者は対象外となります。
日本の法律に従って健全に生活できていることが基本となります。
2独立の生計を営むに足りる資産又は技能を有すること
日常生活において公共の負担にならず、その有する資産又は技能等から見て将来において安定した生活が見込まれること。収入額の目安が年収300万を満たない場合は、対象外となる可能性が高くなります。
3永住者として日本国の利益に合すると認められること
原則として引き続き10年以上日本に在留していること。ただし、この期間に就労資格(在留資格「技能実習」「特定技能1号」を除く)または居住資格をもって引き続き5年以上在留していることが必要です。また、罰金刑や懲役刑などを受けていないことや、現在、所持している在留資格の最長の在留期間を持っていること、公衆衛生上の観点から有害となるおそれがないことなどが審査の基準となります。
なお、上記の条件を満たしていなくても特例として永住者の取得ができるケースもあります。特例条件は以下の5つとなります。
日本人・永住者の配偶者である
定住者である
難民認定を受けている(難民認定後5年以上在留している)
外交、社会、経済、文化等の分野において、日本への貢献があると認められる者で、
5年以上日本に在留している
• 高度専門職である
定住者とは?
法務大臣が特別な理由を考慮し一定の在留期間を指定して居住を認める者を「定住者」といいます。定住者に該当する外国人は、第三国定住難民、日系3世、中国残留邦人等になります。また、日本人の配偶者等の在留資格を持つ人が、配偶者との死別のために「定住者」を取得するケースもあります。
定住者の条件
定住者の取得条件は、以下の5つとなります。
外国人が日系3世である場合
外国人が日系2世の配偶者(夫または妻)である場合
外国人が日系3世の配偶者(夫または妻)である場合
外国人が「永住者」「定住者」「日本人の配偶者等」「永住者の配偶者等」「特別永住者」のいずれかの扶養を受けて生活する未成年で未婚の実子である場合
外国人が「日本人」「永住者」「定住者」「特別永住者」のいずれかの扶養を受けて
生活する6歳未満の養子である場合
日本人の配偶者等とは?
法務大臣が認めた外国人で、日本人の配偶者または特別養子、または日本人の子として出生した者が「日本人の配偶者等」に該当します。日本人の配偶者等に該当する外国人は、日本人の夫または妻、実子、特別養子などになります。就労制限がないため、職業を自由に選択できて、他の業種への転職も可能です。
日本人の配偶者等の条件
日本人の配偶者の場合:
日本人との婚姻関係を証明することが必要です。事実婚や離婚した場合には対象外となります。夫婦として日本で生計を立てられることが条件となります。
特別養子:養子が実親との親子関係を断ちきり、戸籍上で養親が養子縁組することです。
また、養子は6歳未満であることと、子が6歳になるまでに養親となる場合には8歳未満である必要があります。
