【最新情報:2026年8月12日時点】永住許可申請の「厳格化」をわかりやすく解説

【最新情報:2026年8月12日時点】永住許可申請の「厳格化」をわかりやすく解説

2026年8月、永住許可の要件が「厳格化される」という報道が相次ぎ、永住者を雇用する企業のご担当者や、永住を目指す外国人従業員の方から不安の声を見聞きするようになりました。

そこで、現時点(2026年8月12日)で私たちはパブリックコメントを精読し、何が事実で何が事実ではないかをお伝えするとともに、「いま何が起きていて、どこまで確定しているのか」を企業のご担当者に整理してお伝えし、過度な不安を取り除くことを目的としたいと考えます。

結論から言えば、報道されている内容の多くは、いまはまだ「案」の段階です。すでに永住者として働いている方の立場が、報道によってただちに変わるわけではありません。

いちばん大事な区別 ― 「これから取る人」と「もう持っている人」は別の話

報道が混乱して受け取られている最大の原因は、まったく別の2つの話が「永住の厳格化」という同じ言葉でまとめて語られていることです。

1つ目は、これから永住許可を申請する人の「審査基準(申請の要件)」の話です。2つ目は、すでに永住者である人の「在留管理(取消しの制度)」の話です。この2つは、対象になる人も、根拠となるルールも、確定の度合いもまったく異なります。ここを分けて考えるだけで、不安の大半は整理できます。

これから永住を申請する外国人の話(=「案」の段階です)

報道で「年収要件」「年金」「日本語」として大きく取り上げられているのは、こちらの話です。

2026年8月4日、出入国在留管理庁は「永住許可に関するガイドライン」の改定案を公表しました。報道されている主な内容は、独立生計(自立して生活できること)の要件について、原則として世帯人数に応じた日本人世帯の平均収入以上の年収を継続的に満たすこと、将来の年金の受給見込み(厚生年金で30年相当など)を考慮すること、日本語能力(B1相当)を考慮することなどが検討されている、というものです。

ただし、ここが最も大切な点です。これらはいずれも確定した基準ではなく、あくまで「改定案」です。金額の具体的な水準や適用の細かい取扱いは、まだ公式に確定していません。

パブリックコメント(意見公募)が実施中です ―― 施行までに内容が変わり得ます

改定案の公表と同時に、入管庁はパブリックコメント(一般からの意見公募)を実施しています。意見の募集期間は2026年8月4日から2026年9月4日までの約1か月間で、e-Govのサイトから誰でも意見を提出できます。

パブリックコメントは、寄せられた意見を踏まえて内容が修正されることがある手続きです。つまり、いま報道されている数字や条件は、正式な運用が始まるまでに変更される可能性を含んでいます。入管庁は、この新しいガイドラインを2027年(令和9年)4月の申請分から運用したいとしていますが、最終的にどう固まるかは、パブリックコメントの結果や今後の公表を待つ必要があります。

したがって、いまの段階で「年収がいくら必要か」を確定的に判断したり、従業員に断定的に伝えたりするのは時期尚早と捉えるのが妥当と考えています。

すでに永住者である人の話(=「審査基準」は関係ありません)

すでに永住者として働いている従業員がいる企業のご担当者に、まずお伝えしたいことがあります。上の審査基準(年収・年金・日本語など)は、これから申請する人に向けたものであり、すでに永住者である人には及びません。

その理由はシンプルです。永住者には在留期間の「更新」という手続きがありません(在留カードの有効期間の更新はありますが、これは審査ではなくカードの更新です)。永住許可の審査を受ける機会がそもそもないため、申請の審査基準がどれだけ変わっても、すでに永住を持っている人が改めて審査され直すことは通常ありません。そのため、「永住が厳しくなる」という報道の影響は少ないと考えていただいて良いかと思います。

一方で、すでに永住者である人に関わる制度変更も別に存在します。2024年に成立した改正入管法により、2027年(令和9年)4月から、故意の公租公課(税金・社会保険料など)の不払いや、一定の重大犯罪などがあった場合に、永住資格が取り消され得る仕組みが加わります。ただしこれは「うっかり未納」を罰するものではなく「故意」が要件とされており、病気や失業などやむを得ない事情は対象外とされています。

また、該当した場合でも、原則はいきなりの取消しではなく「定住者」など別の在留資格への変更が想定されており、その場合も就労は続けられます。過度に心配する必要はないと考えます。

「これから取る人」と「もう持っている人」の取扱いの違い(まとめ)

整理すると、これから永住を申請する人は、報道されている新しい審査基準(案)の影響を受ける可能性があります。ただしその基準はまだパブリックコメント中の「案」であり、施行までに変わり得ます。他方、すでに永住者である人は、新しい審査基準の影響は受けません。関係するのは2027年4月からの取消制度ですが、これは「故意」の不払いなどに限られ、原則は取消しではなく別資格への変更で、雇用は継続できます。

共通して言えるのは、税金や社会保険料をきちんと納めることが、どちらの立場でも安心につながるという点です。企業としてできる最も確実な備えは、住民税の特別徴収(給与天引き)を適切に運用し、入社・退職・休職などの「切れ目」で社会保険や納付の手続きに漏れが出ないように管理することです。

詳細は専門家や国際業務を扱う行政書士にご相談をお勧めいたします

繰り返しになりますが、報道で騒がれている年収・年金・日本語などの要件は、現時点ではまだ確定していない「案」の段階であり、パブリックコメントを経て変わる可能性があります。すでに永住を持っている従業員の立場が、報道によってただちに揺らぐわけではありません。

一方、具体的な年収の水準・申請の見通しといった細かい判断が必要な場合は、最新の公表内容をふまえて、申請取次の資格を持つ行政書士(または弁護士)にご相談いただくのが最も安心できるかと考えます。

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