代表・鈴木晴美が「第14回デジタルTERA小屋」に登壇しました|外国人材と「共に働く」未来のつくり方

代表・鈴木晴美が「第14回デジタルTERA小屋」に登壇しました|外国人材と「共に働く」未来のつくり方

2026年7月、一般財団法人AVCCが運営する霞が関ナレッジスクエア(KK2)の講座シリーズ「デジタルTERA小屋」第14回に、株式会社LTB代表取締役・鈴木晴美が登壇しました。

テーマは「外国人材と『共に働く』未来のつくり方 ~テクノロジーの力でフラットな社会へ~」。外国人材を労働力としてではなく、地域と組織を共につくるパートナーとして捉え直す視点から、複雑な就労制度の壁をテクノロジーでどう越えるかをお話しさせていただきました。

本記事では、当日の講演内容を再構成してお届けします。

登壇概要

イベント名 第14回デジタルTERA小屋
テーマ 外国人材と「共に働く」未来のつくり方 ~テクノロジーの力でフラットな社会へ~
主催 一般財団法人AVCC/霞が関ナレッジスクエア(KK2)
登壇者 株式会社LTB 代表取締役 鈴木晴美
モデレーター 伊庭野基明 氏 佐々木香織氏
アーカイブ動画 https://www.kk2.ne.jp/program/dtr_14-01/7675

原点:選択肢がなかった時代

講演の前半でお話ししたのは、事業の話ではなく、代表個人の来歴でした。なぜLTBが外国人雇用支援に取り組んでいるのか。その理由は、そこにしかないからです。

離婚後、札幌で最初に就いた正社員の仕事は、小さなシンクタンクでの翻訳通訳。月収は16万円でした。学歴がないなかで、大手や高収入の仕事を見つけることは容易ではありませんでした。

「このままの収入では、子供の教育機会が制限される」——27歳のとき、米国公認会計士の資格取得を決意します。

周囲の反応は、全否定でした。「無理でしょ?」

フルタイムで働きながら、平日2時間、週末10時間の勉強時間を確保する日々。仕事の休憩の合間にテキストを広げ、32歳で合格しました。

資格取得後は札幌の会計事務所へ転職し、税務調査の立会、経営相談、銀行との折衝など、経営者と日々向き合う仕事に携わります。期待に応えるほど高度な仕事を任され、評価と収入が上がり、生活は大きく変わりました。

このとき実感したのは、資格そのものの価値ではありません。より良い選択肢を、自分で選び取れるようになったことの価値でした。この体験が、LTBの根っこにあります。

創業:現場で目にした光景

会計事務所ではエッセンシャルワーク領域のクライアントが多く、経営者からは常に「人材を確保するのが難しい」という声が聞かれました。地方の人手不足は、今後さらに強まる——そう感じていた時期に、一新塾で出会ったネパール人大学院生との縁が契機となり、東京都江戸川区・小岩で創業します。

そして、現場を見ることになります。

六畳一間に6人が暮らす寮。与えられているのは、スーツケース1つとパイプベッド1つ。ブルーシートに車座になって食事を摂る光景。一歩外に出れば、肌の色や言葉のイントネーションで敬遠され、「外国人だから無理でしょ」「お客様が怖がるから裏から入って」という言葉が向けられる。

かつて自分が言われた「無理でしょ?」と、同じ構造がそこにありました。

創業初年度の売上は40万円。当時、外国人材を求める企業はほとんどありませんでした。2018年ごろから飲食・客室清掃・コンビニエンスストア等へのアルバイト人材紹介が軌道に乗り黒字化しますが、2020年にはコロナ禍で売上が半減。その期間はサービス開発に注力しました。

現在地:日本に住む外国人は400万人超

日本に住む外国人は400万人を超え、年間およそ40万人ずつ増加しています。2023年に320万人、2024年に360万人、2025年に400万人。このペースが続けば、2030年には600万人という試算も視野に入ります。

在留資格別に見ると、最も多いのは永住者で90万人規模。技能実習、技術・人文知識・国際業務、留学、家族滞在、特定技能が続きます。なかでも特定技能の伸びは急で、2030年には100万人規模に達するという見方もあります。

「外国人材が増えるかどうか」を議論する段階は、すでに過ぎています。

課題:1000パターンを超える在留資格

一方で、法規制は年々強まっています。

外国人ワーカーがどのような職種で働けるかは「在留資格」によって決まりますが、その判別は一見しただけでは困難です。職種と雇用形態を掛け合わせると、組み合わせは1000パターンを超えます。

2026年3月には、派遣事業を念頭に置いた規制も動きました。技術・人文知識・国際業務の在留資格を持つ方を『現場』の業務で雇用している可能性があれば、入管の立ち入りを受けることもありえます。悪意がなくとも、知らないうちに違反が生じうる領域です。

LTBは2015年から雇用の現場で「在留資格」「職種」「雇用形態」の組み合わせを蓄積し、雇用可否を判定するアルゴリズムを構築してきました。これを実装したのが Peregre Check です。面接時や入社時に、在留カードにスマートフォンをかざすだけで、約20秒で雇用可否を判定。在留カードの真贋判定にも対応しています。

私たち自身がつまずいたポイントを、そのままプロダクトにしたものです。

事業転換:ユニットエコノミクスという現実

2021年、第二創業としてスタートアップへ舵を切り、在留資格に悩まず安心して外国人雇用ができるプラットフォーム Peregre Works をリリースしました。

しかし2024年、新規契約の獲得に対して計上できる売上の経済性が悪化します。ユニットエコノミクスが合わない——年末の幹部会議を経て、人材紹介事業への転換を決断しました。

結果として、人材紹介事業は急速に伸びています。エッセンシャルワーク領域の人手不足が顕著となり、日本人だけでは充足できない状況が背景にあります。

社会起業家に求められること

営利法人として起業した以上、利益を追求することは当然です。ゼロイチを立ち上げ、いかに再現性高く売上と利益を進捗させるか。ここから逃げてはいけないと考えています。

その上で、社会課題を解決するフロントランナーとして存在すべきだと考えています。何を、どう解決するかは起業家に委ねられています。だからこそ、どれだけ解決したのかを指標とともに表現する責任があります。

現場へのヒント:外国人材と働く3つの姿勢

「外国人との共生」という言葉から最初に思い浮かぶものは、人によって異なります。職場を支える担い手。習慣の違いへの戸惑い。治安への不安。新しい出会い。そのいずれも、現場にある現実です。

うまくいっている職場には、共通する姿勢があります。

1. 気後れしない

外国人だからと気を使いすぎて、下手に出る必要はありません。ただし、言語バリアと文化バリアが存在することは認識しておく必要があります。

2. 人間として向き合う

「XX人は」「XX国出身の人は」ではなく、「XXさんは」「YYくんは」で向き合う。気を使いすぎることも、逆に軽んじることもしない。

3. しっかりと伝える

以心伝心は通用しません。言いづらいことも言葉にして伝える習慣を持つ。それがダイバーシティの実践です。

そして、定着のために特別扱いはしません。日本のルールは理解していただく。毅然とした態度で接することは、相手を対等な一人の人間として見ているということです。

私たちが目指すもの

外国人材は、単なる労働力ではありません。地域と組織を一緒につくるパートナーです。

「無理でしょ?」と言われた人が、選択肢を手にして、自分で人生を選び直せる社会。テクノロジーの力で、それを一人ひとりに届けていきます。

それが、私たちの考える「フラットな社会」です。

株式会社LTBについて

外国人雇用に安心・安全を。外国人には安心して活躍できる場を。

  • Peregre Agent — 外国人エッセンシャルワーカーの人材紹介
  • Peregre Works — 外国人材向け求人マッチングプラットフォーム
  • Peregre Check — 在留カード管理・雇用コンプライアンスSaaS

外国人採用や在留資格管理についてのご相談は、お問い合わせフォームよりご連絡ください。