建設業と特定技能外国人2号

建設業と特定技能外国人2号

建設業は特定技能外国人を2号まで受入が可能な分野として、最長で10年の就労を認めています。では、2号へ移行する際にどのようなことが必要になるのか、する仕事の内容を変えなくてはいけないのか、入管との兼ね合いで何か変更が出るのか等について述べていきます。

家族を連れてこられる

特定技能1号には認められていない家族帯同ですが、配偶者と子については母国からの呼び寄せが可能で、「家族滞在」の在留資格が付与されます。なお、家族滞在であれば、風営法に定める施設以外での週28時間以内の就労は可能です。

週28時間の考え方はこちらで確認

支援は必要ない

特定技能2号外国人については、受入機関や登録支援機関等による義務的支援の対象になりません。特定技能1号外国人と大きく異なるのは、家族帯同と義務的支援が必要ないことになります。

建設分野の特定技能外国人2号へ移行するためには

技能実習生とは異なり、1号から2号に移行できる作業が限られておらず、1号の業種がそのまま2号へ試験や実務経験を経て持ち上がることになります。
以下にあげる業務区分に応じた試験の合格が求められること、そして実務経験が必要になります。試験合格については、業務区分ごとの建設分野特定技能2号評価試験、もしくは技能検定1級となります。実務経験については、複数の建設技能者を指導しながら作業に従事し、工程を管理する者(班長)としての実務経験が要件となります。建設キャリアップシステムのレベル3を取得していれば、実務経験を証明する書類の提出は不要とされています。

建設分野における特定技能2号外国人の業務区分
業務 試験区分 業務区分
型枠施工 建設分野特定技能2号評価試験(型枠施工)または技能検定1級(型枠施工) 型枠施工(複数の建設技能者を指導しながら、コンクリートを打ち込む型枠の製作、加工、組み立て又は解体の作業に従事し工程を管理)
左官 建設分野特定技能2号評価試験(左官)または技能検定1級(左官) 左官(複数の建設技能者を指導しながら、墨出し作業、各種下地に応じた塗り作業(セメントモルタル、石膏プラスター、既調合モルタル、漆喰等に従事し、工程を管理)
コンクリート圧送 建設分野特定技能2号評価試験(コンクリート圧送)または技能検定1級(コンクリート圧送) コンクリート圧送(複数の建設技能者を指導しながら、コンクリート等をコンクリートポンプを用いて構造物を所定の型枠内等に圧送・配分する作業に従事し、工程を管理
トンネル推進工 建設分野特定技能2号評価試験(トンネル推進工)または技能検定1級(トンネル推進工) トンネル推進工(複数の建設技能者を指導しながら、地下等を掘削し管きょを構築する作業に従事し工程を管理)
建設機械施工 建設分野特定技能2号評価試験(建設機械施工) 建設機械施工(複数の建設技能者を指導しながら、建設機械を運転・操作し、押土・整地、積み込み、掘削、締固め等の作業に従事し工程を管理)
土工 建設分野特定技能2号評価試験(土工) 建設機械施工(複数の建設技能者を指導しながら、掘削、埋め戻し、盛り土、コンクリートの打ち込み等の作業に従事し工程を管理)
屋根ふき 建設分野特定技能2号評価試験(屋根ふき)または技能検定1級(かわらぶき) 屋根ふき(複数の建設技能者を指導しながら、下葺き材の施工や瓦等の材料を用いて屋根をふく作業に従事し工程を管理)
電気通信 建設分野特定技能2号評価試験(電気通信) 電気通信(複数の建設技能者を指導しながら、鉄筋の溶接継手、圧接継手の作業に従事し工程を管理)
鉄筋施工 建設分野特定技能2号評価試験(鉄筋施工)または技能検定1級(鉄筋施工) 鉄筋施工(複数の建設技能者を指導しながら、鉄筋加工・組み立ての作業に従事し工程を管理)
鉄筋継手 建設分野特定技能2号評価試験(鉄筋継手) 保温保冷(複数の建設技能者を指導しながら、冷暖房設備、冷凍冷蔵設備、電力設備又は燃料工業・化学工業等の各種設備の保温保冷工事作業に従事し工程を管理)
内装仕上げ 建設分野特定技能2号評価試験(内装仕上げ)または技能検定1級(内装仕上げ) 内装仕上げ(複数の建設技能者を指導しながら、プラスチック系床仕上げ工事、カーペット系仕上げ工事、鋼製下地工事、ボード仕上げ工事、カーテン工事の作業に従事し工程を管理)、表装(複数の建設技能者を指導しながら、壁紙下地の調整、壁紙の張付け等の作業に従事し工程を管理)
とび 建設分野特定技能2号評価試験(とび)または技能検定1級(とび) とび(複数の建設技能者を指導しながら、仮設の構築物、掘削、土止め及び地業、躯体工事等の作業に従事し工程を管理)
建築大工 建設分野特定技能2号評価試験(建築大工)または技能検定1級(建築大工) 建築大工(複数の建設技能者を指導しながら、構築物の躯体、部品、部材等の製作、組立て、取り付け等の作業に従事し工程を管理)
配管 建設分野特定技能2号評価試験(配管)または技能検定1級(配管) 配管(複数の建設技能者を指導しながら、配管加工・組み立て等の作業に従事し工程を管理)
建築板金 建設分野特定技能2号評価試験(建築板金)または技能検定1級(建築板金(内外板金作業・ダクト板金作業)) 建築板金(複数の建設技能者を指導しながら、構築物の内装(内壁、天井等)、外装(外壁、屋根、雨どい等)に係る金属製の内外装材の加工・取り付けまたはダクトの製作・取り付け等の作業に従事し工程を管理)
保温保冷 建設分野特定技能2号評価試験(保温保冷)または技能検定1級(熱絶縁施工(保温保冷工事作業) 保温保冷(複数の建設技能者を指導しながら、冷暖房設備、冷凍冷蔵設備、電力設備又は燃料工業・化学工業等の各種設備の保温保冷工事作業に従事し工程を管理)
吹き付けウレタン断熱 建設分野特定技能2号評価試験(吹き付けウレタン断熱)または技能検定1級(吹き付けウレタン施工(吹き付け硬質ウレタンフォーム断熱工事作業) 吹き付けウレタン断熱(複数の建設技能者を指導しながら、吹き付けウレタン断熱工事作業に従事し工程を管理)
海洋土木 建設分野特定技能2号評価試験(海洋土木) 海洋土木(複数の建設技能者を指導しながら、水際線域、水上で行うしゅんせつ及び構築物の製作・築造等の作業に従事し工程を管理)

出典:建設運用方針

実務経験についてはこちら各職種の能力評価基準より/国土交通省

経営審査事項と特定技能外国人

最後におまけとして、公共工事を請け負う際に必要になってくる経営審査事項の加点と特定技能外国人について触れていきます。特定技能外国人2号は1号から移行する際、建設キャリアアップシステムの「レベル3(職長レベルの建設技能者)」であることが想定されています。2021年4月から改正が予定されている経営審査事項の一部にもこのレベル3の技術者を雇用していることで2ポイント加点されることとなることが想定されます。

経営審査事項審査基準の改正(令和3年4月以降)/国土交通省

いかがでしょうか。特定技能2号は、1号と比べ制限が少なくしかも技量の高い人材を確保できるという点では企業にとってありがたい制度かと思います。また、2021年1月現在、特定技能2号外国人が認められているのは2分野のみ(建設と造船・船用工業のみ)です。

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