帰国困難の人を雇用するリスクはありますか?

公開日 2021年12月13日 最終更新日 2022年1月2日

帰国困難の人を雇用するリスクはありますか?

新型コロナウィルスの影響下、外国人雇用に係わる水際対策や特例措置など異例の対策が行われて来ましたが、段階的に新規入国する外国人の往来再開の動きも始まって来ています。
通常ではない状況においては、さらに外国人雇用のためのリスクマネジメントが必要となり、経営者と労働者の双方にかかってくる問題回避のためにも重要な管理対策となります。
外国人雇用の現況では、新規入国の外国人以外でコロナ禍に帰国困難となっている在留外国人に対しても、雇用できる要件が整っていれば採用活動を行うことは可能となっています。この場合、雇用リスク対策となる具体的な手続きについて確認は必要となります。

外国人雇用のリスクマネジメント

まずは、外国人雇用の際に注意しておきたい点について、リスク回避策になるポイントをまとめておきます。外国人の失踪・解雇・法令違反などのトラブルを未然に防ぐために必要な内容となります。帰国困難な外国人を雇用する際にも必要な内容となるため参考にしていきましょう。

●ポイント①:外国人が日本で働くことができる条件があること
・就労できる在留資格や資格外活動許可を取得していること
外国人が日本で働く場合の条件は、就労先の業務や就労期間に対応できる在留資格を取得していることです。また、留学生をアルバイトで雇用する場合には、資格外活動許可の取得が必要です。

・在留カードを取得していること(偽造カードチェックが必要)
在留カードは外国人が日本に在留できるための要件が記載されている日本での身分証明となります。昨今では、巧妙な偽造カードも流出しているため、正式なカードであるか確認が必要です。
こちらの記事もよろしければご参照ください。

・在留資格、在留カードが更新されていること
在留資格の交付日から有効期限が過ぎている場合は、不法滞在者となります、また、在留資格の内容を変更した場合には在留カードの更新が必要となります。

・法令違反について確認しておくこと
外国人が日本で在留できるためには、個々に入管法の要件を満たしていることです。法令違反をした場合、外国人本人への措置以外に雇用側にも責任の義務が科せられます。

●ポイント②:外国人が自社で働くことができる条件があること
・自社業務と在留資格の分野に整合性があること
外国人雇用の際は、自社業務と在留資格の分野について同業種であることを確認する必要があります。在留資格取得の条件である各種技能試験の合否についても要チェックです。

・雇用期間が在留期間中であること
外国人の雇用期間が在留期間に合っているか確認が必要です。継続して働いてほしい場合に在留資格が更新できるか確認しておく必要があります。

・コミュニケーションに必要な共通言語があること
業務内容の伝達やコミュニケーションに必要な言語は、日本語と外国人の母国語、英語等をうまく使い分けて行うことが理想的です。

●ポイント③:外国人のメンタルヘルスについて
・定期的な健康診断の実施を行うこと
・生活面の支援を行うこと(監理団体、登録機関等のサポート)
・人権に関わる問題について認識を持つこと
・異文化ギャップに配慮すること
・法令に基づいた労働条件であること
・キャリアビジョンの共有ができること

以上、外国人雇用に係わるリスク回避のための基本事項を踏まえて、次は、帰国困難な外国人を雇用した場合に気を付ける点と手続きについて説明していきましょう。

帰国困難な外国人雇用について

コロナ禍、帰国できない外国人に対して、法務省は以下の特例措置を実施しています。在留資格変更して外国人を雇用したい場合は、就労期間や業種分野など自社業務に対応可能であるか確認が必要となります。また、帰国困難となる外国人を雇用する際は、メンタルヘルス対応も兼ねて雇用を行うことを推奨いたします。

また、帰国困難な技能実習生を雇用した場合には、変更事項によって申請書類が異なりますので以下のポイントを注意して手続きを進めるようにしましょう。
・今までと同じ就労先であるか/新しい就労先であるか?
・今までと同じ監理団体であるか/新しい監理団体であるか?
・今までと同じ業種で働くのか/移行対象業種で働くのか?

各種、在留資格の変更について

●技能実習生の場合
「特定活動」(6ヵ月就労可能)へ在留資格変更できます。この期間に特定技能の技能試験に合格し、特定技能14分野の業務に移行できる場合には、在留資格・特定技能1号へ変更も可能です。

・申請の提出書類について
今までの就労先で継続して働く場合
〇在留資格変更許可申請書または在留期間更新許可申請書
〇顔写真
〇帰国が困難である合理的理由があることを確認できる書面
〇監理団体が作成した理由書
〇今までの就労先での業種と同業種であることを証明する書類

今までの就労先を変更して働く場合
〇在留資格変更許可申請書または在留期間更新許可申請書
〇顔写真
〇帰国が困難である合理的理由があることを確認できる書面
〇新しい受け入れ企業との雇用契約書
〇監理団体が作成した理由書

今まで働いてきた同業種と関係する業務につく場合は、技能実習の移行対象職種・作業一覧(その他の業種除く)から就労が可能です。

※技能実習の移行対象職種・作業一覧
技能実習の移行対象職種・作業一覧(85職種156作業)

●留学生の場合
「特定活動」(6か月・週28時間以内のアルバイト可能) へ在留資格変更できます。短期滞在や特定活動(帰国困難・就労不可,出国準備)の在留資格で在留している元留学生も対象となります。

●短期滞在者の場合
90日の在留期間更新ができます。在留期間中に資格外活動許可・週28時間以内のアルバイトも可能です。

●インターンシップ9号/外国人建設就労者32号/外国人造船就労者35号/製造業外国従業員42号の場合
「特定活動」(6ヵ月就労可能)へ在留資格変更できます。

※参照元
出入国在留管理庁(新型コロナウイルス感染症に関する在留諸申請について帰国困難者に対する在留諸申請の取扱い)

まとめ

外国人雇用リスク対策と帰国困難な外国人雇用リスク回避のポイントについて説明いたしました。自社で外国人雇用を検討している場合、帰国困難な外国人であっても法令に基づいた在留枠が設けられていますので雇用することも可能です。その際は、入管法の要件にそった手続きと自社業務に対応できる人材であるか確認し、雇用リスクを考慮した採用活動を進めるようにして行きましょう。

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