外国人と運転免許証

外国人と運転免許

母国で運転の経験があるからドライバーになりたい!という問い合わせを私たちは日々沢山頂きます。日本国内でもドライバーの需要は高く実際に雇用する際にどのようなことを確認したらいいのかわからないという声をいただきます。この記事ではどのような運転免許を持っていれば国内で問題なく運転できるのか、国際免許や日本の運転免許へ変更する場合のフローについて触れていこうと思います。

日本国内で運転ができる免許

  1. 日本の運転免許証
  2. 国際運転免許証
  3. ジュネーブ条約を締結している国が対象。ですが全世界の国と地域が対象ではないので注意が必要です。
    参考:「ジュネーブ条約等締結国」より/警察庁

  4. 外国の免許証
  5. 外国の免許証については、公的機関などで翻訳文*をつけたものが必須になります。翻訳文の内容には「運転できる自動車等の種類、免許の有効期限、当該免許の条件等の必要事項が明らかにされているもの」が必要になります。
    現在(2020年6月)認められている国は、エストニア共和国、スイス連邦、ドイツ連邦共和国、フランス共和国、ベルギー王国、モナコ公国及び台湾となります。

*翻訳文は決められた機関が翻訳したものがなければなりません。大使館・領事館のほか国によって翻訳が認められている機関がことなります。日本自動車連盟(JAF)もその対象機関となります。
参考:「スイス・ドイツ・フランス・ベルギー・エストニア・モナコ・台湾における運転免許証の日本語翻訳文について」より/日本自動車連盟

なお、運転できる期間は以下の通りとなっています。
1.日本の運転免許証は有効期限まで、2.国際運転免許証、及び3.外国の免許証は入国から1年以内。

運送業界の現状と外国人はこちら

日本の運転免許へ変更する

さて、雇用した外国人に宅配を頼みたいといった場合、1年だけ有効な免許証では心許ないかと思います。そう言った場合どういった手続きを取れば宅配ドライバーとして活躍してもらうことができるのでしょうか。もちろん日本人と同じように自動車教習所へ通って、もしくは合宿等を通して免許を取得することは可能です。ですが、ここでは母国で取得した運転免許を日本の免許へ変更する手続きについて触れていこうと思います。

免許変更の条件は以下の通りです。

  1. 外国免許証が有効期限内であること。
  2. 外国免許証を取得した日から3ヶ月以上、免許交付を受けた国に滞在していたこと。

切り替え申請の窓口と申請書類は以下の通りです。
切り替えの申請窓口:日本での住所地の都道府県警察の運転免許センター等
申請書類:

  1. 申請書
  2. 申請用写真1枚
  3. 本籍記載の住民票の写し(住民基本台帳法の適用を受けない方は旅券等)
  4. 健康保険の被保険者証、マイナンバーカード、在留カード等(提示)
  5. 外国等の行政庁等の免許に係る免許証(国際運転免許証のみでは不可。)
  6. 日本語による翻訳文(上記を参照、JAFだと発行手数料3,000円)
  7. 免許を取得後、その国などに通算3か月間以上滞在していたことが確認できる出入国の証印のある旅券等の書類
  8. 手数料
  9. 申請料
    ・普通2,550円
    ・原付1,500円
    ・大型・中型・準中型4,100円
    ・その他2,600円
    交付手数料2,050円

参考:「外国で取得した運転免許証を日本の運転免許証に切替えるには」より/警察庁
ただし、保有している国の免許によっては追加の資料が必要になったり、切り替えができないものもあるため、先に運転免許試験場へ問い合わせることをお勧めします。
参考:「国別に必要な書類」/警視庁

試験の一部免除の規定

国によっては一部学科・実技試験が免除されています。
・知識確認、技能確認を免除する国と地域(29の国と地域など)
アイスランド、アイルランド、アメリカ合衆国(バージニア州、ハワイ州、メリーランド州及びワシントン州に限る)、イギリス、イタリア、オーストラリア、オーストリア、オランダ、カナダ、韓国、ギリシャ、スイス、スウェ-デン、スペイン、スロベニア、チェコ、デンマーク、ドイツ、ニュージーランド、ノルウェ-、ハンガリー、フィンランド、フランス、ベルギー、ポーランド、ポルトガル、モナコ、ルクセンブルク、台湾

なお、都内では免除対象国は江東運転免許試験場で申請交付手続きが可能です。府中運転免許試験場と鮫洲運転免許試験場ではいずれの国の方の申請交付も可能です。

運転できる自動車等免許の種別

母国で大型免許を持っていたからと言ってすぐに日本国内で大型免許に切り替えができる訳ではなさそうです。

「中型免許、大型免許に切替えるためには、普通免許又は準中型免許を取得し、かつ、普通自動車又は準中型自動車の運転経験(外国免許を取得した国での運転経験を含みます)が中型免許は2年以上、大型免許は3年以上必要になります。」警視庁HPより

いかがでしたでしょうか。一定の手続きを踏めば宅配ドライバーとして活躍してもらえそうなことが見えてきました。任せられる仕事の幅が広がるかもしれませんね。

外国人雇用の問題

外国人雇用の問題

外国人に特化して7年、私たちが長く携わってきたからこそ深くわかる「お客様にとっての外国人雇用の問題点」について触れていきたいと思います。
外国人を雇用する際の問題はどんなものでしょうか。日本人と違い外国人には特有の事情があります。

  1. 働ける職種が在留資格によって異なる
  2. 在留資格は2020年3月現在29種類、特定活動では49種の活動許可、特定技能では14職種、技能実習生では143作業など、させていい仕事とNGな仕事があります。誤って働かせてしまった場合には不法就労に触れてしまうということになるため、日本人と異なり、外国人を雇用する際には考えなくて済む法律的な知識が必要になってくるというのは障壁になってしまうことになるかもしれません。また、在留カードそのものを見たことも触れたこともないため、見方がわからない、偽造なのかそうではないのかがわからないといった声もあります。

  3. 日本語でのコミュニケーションができるのか
  4. 日本人側が外国語で話さなくてはいけないのではないかという不安感から外国人活用から遠のくことは往々にしてありませんか。外国人を見ると気後れしてなぜか外国語で話さなくてはならないというプレッシャーを感じてしまうことはないでしょうか。また、接点がないために固定観念やステレオタイプのイメージが一人歩きしてしまっていることも原因の一つかもしれません。
    2020年3月に日本に在留する外国人は約300万人、うち半数の150万人が何らかの仕事をしています。留学生であれば日本に来日しておおよそ1年から早い人で半年で日本語は日常会話レベルに到達します。日常会話とは、コンビニでマニュアルをみながら、もしくは研修を受ければ一般的な日本語での会話に困らない程度にコミュニケーションが取れるレベルと解していいかと思います。私たちの経験からは、来日する年齢が低ければ低いほど習得速度(コミュニケーションと読み書き双方)が速い傾向がみられ、本人の意識や能力にもよりますが10代であれば半年で日常会話レベルに達していると考えています。さらに、読み書きを除いて言及すると口頭でのコミュニケーションだけはもっと早期に日常会話に到達していると感じています。もちろん、日本語に触れる総時間数や本人の意欲によっても異なりますが、ほぼ毎日6時間程度日本語に触れる機会があれば、3〜4ヶ月程度でこの日常会話レベルに到達するというのが私たちの所感です。

  5. お客さんや社内の反応に不安がある
  6. まだまだ第一印象が日本人も外国人も大切だという意見は多くあります。ただ、イメージ先行で国籍や肌の色で人間性まで決めつけてしまうのはもったいないと言わざるを得ないのではないかと、私たちは考えています。都心を除いてまだ日本はダイバーシティの黎明期かもしれません。まだまだ外国人を同僚として、自分が顧客としてサービスを受けるなどのイメージが作りにくい、さらにはコミュニケーションに齟齬があるのではないかという不安が付き纏うため今一歩客先に出向かせることができないというのもあるかもしれません。

外国人雇用と管理

外国人には働いていい仕事とNGな仕事が在留資格ごとに決まっているということに触れました。さらに、一部の在留資格には「働く時間」にも制限がありこれを管理することが必要になってきます。いわゆる留学生や家族滞在などといった資格外活動許可を得ている在留資格が該当し、短時間労働程度しかできない仕組みになっています。

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さらに、外国人の家族などに冠婚葬祭があった場合、どうしても一時帰国を認めざるを得ないことや、認めたとしても日本に再入国するのが2ヶ月後と言われたなど、日本人に比べかなり長期にわたり休暇をとってしまい、同僚の日本人と比較して不公平なことになるという問題もあるかもしれません。

外国人雇用のメリット

それでも外国人を雇用するメリットはあるのでしょうか。日本を取り巻く現状として、減少する労働人口、少子高齢化や政府的な観点から見た場合の税収(特に所得税)からみた際、女性やシニア層のほか、やはりどこからか労働力を確保して行かなくてはならず、どこかで私たちも折り合いをつけて「胸襟を開いていく時」がいずれ来ることを念頭に入れておいても良いかと考えています。
かといって、時代がそうだから、そうせざるを得ない、受け入れなくてはならないというという義務感のように捉えてしまいかねないかもしれません。

ですが、私たちは弊社のお客様からの声が彼らの意欲や年齢構成にプラスのご意見をいただくことが多いと感じています。現在日本で働いている外国人層は母国では大学を出ている場合が高いこと、さらに日本を優れた技術国や仕組みをもつ国として見ていることなどから、積極的に我々の技術や社会の仕組みを学びたいとする意欲が高いことを感じています。さらに、まだまだ彼らが母国の代表として母国の家族を養って行かなくてはならない立場にあるため、家族送金のため家族の誇りとして一生懸命働くという側面もあります。
また、年齢層は日本人の人口のボリュームゾーンが2025年時点では40代〜60代になっている想定に対し、在留外国人の20代〜30代がボリュームゾーンでことがわかります。
総務省「国勢調査」/国立社会保障・人口問題研究所「日本の将来推計人口(平成29年推計):出生中位・死亡中位推計」より厚生労働省作成
e-Stat政府の統計窓口より作成

年齢が若いことでこれから長く勤めてもらえることや、意欲が一般的に高いことを踏まえると様々な障壁があるとはいえダイバーシティに踏み入れてみる価値はあるかもしれません。

外国人と身分証明書

外国人と身分証明書

この記事では外国人を雇用する際、雇用企業から「身分証明書」の発行ができないという声を受け、私たちとして一つの解決策として提案をしていこうと思います。そもそも身分証明書とは何を証明するのでしょうか。馴染みがない方も多いかもしれませんが、日本人は就職や資格を取得する際、または会社の役員等がその企業で何らかの許認可を受ける際に必要になってくるものです。

  1. 禁治産または準禁治産の宣告の通知を受けていないこと
  2. 後見の登記の通知を受けていないこと
  3. 破産宣告または破産手続開始決定の通知を受けていないこと

つまり、身分を証明してもらう方に何らかの欠格事由がないことを証明する書類ということになります。欠格自由とは障害や認知症により、物事の判断ができないため、補佐人や後見人(本人の判断能力によって支援すべき内容が異なります)と言って対象の方の代わりに判断をしたり財産の管理をしたりすることなどを行ってもらう状況の方を指します。
では、どこに行って発行を受けることができるのでしょうか。本籍がある市区町村窓口に行って発行手続きをとることになります。
さて、この身分証明書外国人について発行できるかというとそれはNOです。
その代わりに外国人の方達が発行を受けることが可能な書類が「登記されていないことの証明書」となります。

  1. 成年後見人等ではないこと

なお、東京法務局後見登録課または全国の法務局・地方法務局の本局の戸籍課で取り付けが可能で、支局や出張所では発行はしていません。
登記されていないことの証明書/東京法務局
ただし、「破産をしていないこと」を証明する唯一の証明書は身分証明書となり、外国人が破産をしていないことを証明するものではありません。

外国人の身分証明書等が想定される職種

私たちがお客様からご指摘いただくのは、主に正社員として就職したり、特殊なお仕事に就くために提出を求めたりする場合です。
例えば、警備業、1号から4号までを指し、1号警備では防災センターや人の出入管理といった施設警備を行なったり、2号警備では交通誘導やイベントなどで不特定多数の誘導などを行なって事故を防いだり、3号警備では貴重品の運搬など、4号警備では身辺警護といってボディーガード等を行うのが主な業務となります。
これらの業務はお客様の秘密や財産を護ったり、防犯的な要素が非常に高いことから身分証明書を、特に入社時の必須書類としている場合が多いようです。
外国人についても、破産をしていないこと以外は証明が可能であることは知識の一つとして押さえておいても良いいかもしれません。

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